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勢多だより

No. 108

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貢献するため、日夜頑張っています。それと同時に、

滋賀医科大学の学是に「地域に支えられ、地域に貢献

し、世界に羽ばたく」とあるように、本学は滋賀県を

中心とした「地域」の医療を担うという大きな使命を

もっています。わが国では急速に高齢化が進んでおり、

今後10〜20年の間に日本の医療も大きく様変わりする

ことは想像に難くありません。「地域包括ケアシステ

ム」を中心として、地域の医療機関や行政が一体とな

って、病人や高齢者を支えていくことになります。医

師の仕事も今後は多様化し、病院、診療所、在宅診療

など、活動の場が増えていきます。皆さんには、専門

医としての高い能力とジェネラリストの能力が共に要

求されることになるでしょう。これから 4 年半の勉学

によってプロフェッショナルとしての確固たる能力を

修得すると共に、医学以外の広い教養も身につけて、

豊かな人間性と高い倫理観をもった医師となってくだ

さい。

次に、平成29年度秋季大学院医学研究科博士課程に

進学された 7 名と修士課程看護学専攻に入学された 2

名の皆さん、ご入学おめでとうございます。この中に

は、「先端医学研究者コース」に 1 名、博士課程教育

リーディングプログラム「アジア非感染性疾患(NCD)

超克プロジェクト」に 3 名の外国人の方が入学されま

した。本学の国際化にとって大変うれしいことであり

ます。

大学院に進学された皆さんは、これからの 2 年間ま

たは 4 年間、看護学と医学のそれぞれの分野で研究を

行うことになります。ぜひ自ら興味のある研究テーマ

を見つけ、すばらしい研究成果を挙げてください。医

学医療が加速度的に進歩し、これまで不明であった疾

患のメカニズムが解明されたり、画期的な医薬品や機

器が開発されたという報告が続いています。その一方

で、まだまだ未解明の課題が沢山残っています。皆さ

んにはぜひ大きな課題に挑戦して、医学と看護学の発

展に寄与していただきたいと願っています。

また、わが国では高齢化が急速に進展し、アジア各

国などでもがん・脳卒中・心臓疾患などの生活習慣病

の問題が重要になってきています。そのために、社会

医学的研究が大変重要になってきています。今回、バ

ングラデシュとベトナムからの 3 名の方が加わられる

博士課程リーディングプログラム「アジア非感染性疾

患(NCD)超克プロジェクト」は、人類がこうした

非感染性疾患の課題を克服するためのグローバルリー

ダーを育成することを目的とした大学院コースです。

そのほか、滋賀医科大学では、アルツハイマー病を

中心とした神経難病研究、サルを用いた医学生物学的

研究、癌治療研究などを重点研究の柱として推進する

と共に、各研究者の発想に基づく多様な研究を推進し

ています。大学院の数年間は、自らの興味とアイデア

に基づいて自由に発想し、研究に集中できる貴重な時

間です。その中で研究者としての素養と能力を修得す

るとともに、正しい研究態度、高い倫理観を身につけ

てください。

皆さんの大学院生活が充実して実り多いものになる

ことを心から願っています。

本日の滋賀医科大学へのご入学を心からお祝いし、

すべての皆さんのご健康と今後のご活躍を祈念して、

式辞といたします。

平成29年10月 2 日