HOME | 発達外来のご案内

1)発達外来とは
 小児科発達外来では、子どもの発達や行動上の課題についての診療を行っています。対象となる年齢は、おおよそ2歳から15歳までです。主に、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder : ASD) や注意欠如・多動症(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder : ADHD)、限局性学習症(Specific Learning Disorder: SLD) などの神経発達障害 ⇨子どもの発達とその支援について を担当する専門外来です。
 診察では(⇨受診が決まったら)、詳細な問診と面接に加えて、心理・発達検査や身体の検査を行い正確な医学的鑑別診断をしてい ます。一人ひとりのお子さんの特性について医学的に判断し、地域での支援につなげていくことが発達外来の役割です。必要に応じて、薬物治療も行います。( ⇨薬物治療
 
2)発達外来には、こんな子どもたちが来ています
発達の遅れ
 子どもの発達には個人差がありますが、1歳半を過ぎても歩かない、言葉が出てこない、呼びかけても反応が乏しい、他の人とのやりとりが難しい場合などは、発達の遅れがないか、得意と苦手の差が大きいのではないか、と考えます。
多動
 子どもはエネルギーに満ちあふれ、よく動くものですが、同世代の子と比べて、明らかに落ち着かない、迷子になるので目が離せない、注意しても変わらないなどがあれば、問題となる可能性があります。
行動上の問題
 こだわりや偏食が強い、すぐに噛みついたり叩いたりする、忘れっぽくぼーっとしている、注意されても変わらない、新しい環境になじめない、不安が高い、パニックを起こす、集団活動に参加できないなどの行動には、発達上の課題が関係することがあります。子どもに見合った関わりが難しいなど、生活環境からの影響で問題が起きることもあります。
睡眠障害
 寝付きが悪い、眠りが浅い、昼夜逆転するなど睡眠の問題が、乳児期から続く場合や、学童期以降に目立ってくることがあります。必要に応じて、睡眠(呼吸)外来への紹介を行います。
夜尿・遺尿
 5歳以降に月に数回以上のおねしょがある場合を夜尿、昼間にもおもらしがある場合を遺尿と言います。膀胱の働きの未熟さだけではなく、発達特性としての不注意さや状況の読みにくさと関係することがあります。小児泌尿器科とともに診療することができます。
 
3)他の機関へのご相談をお勧めする場合
不登校
 子ども自身の集団活動参加の難しさや周囲の環境との関係、学習理解に対する評価を行ったうえでの教育的配慮が必要です。不登校に発達障害が関係する場合もありますが、まずは通っておられる学校の関係者(担任、特別支援教育コーディネーター、管理職など)や地域の発達支援センター(室)(⇨市町発達支援室、センター等設置一覧)、滋賀県心の教育相談センター(077-524-4300)への相談をお勧めしています。
摂食障害
 食欲や食行動の異常だけではなく、体重に対する過度のこだわりがあり、自己評価への体重・体形の過剰な影響が存在する、といった心理的要因に基づく食行動の重篤な障害です(厚生労働省HPより)。低体重は生命に関わるため、小児科発達外来単独で診ることは難しく、精神科をご紹介することがあります。
激しい気分の浮き沈みや自傷・他害、自殺を企てる場合などは、同様に精神科、警察、福祉機関との連携が必要となります。