Study of Cancer Microenvironment Focusing on Fibrosis

線維化に注目した癌微小環境に関する研究

癌微小環境は癌の周囲に存在する免疫細胞や線維化、血管などの総称であり、癌の進展、転移において癌微小環境が重要な役割を担っていることが知られています。線維化は活性化した線維芽細胞により細胞外マトリックスが産生されることで創傷治癒に類似した環境を形成しています。特に癌周囲の線維化は癌細胞との相互作用することにより癌の悪性化に寄与していることが知られています。
我々は大腸癌においては腫瘍先進部や、リンパ節の線維化が癌の進展に重要であることが明らかにしました。 (Oncotarget. 2018 Jul 3;9(51):29574-29586.)

膵癌は消化器癌のなかでも予後不良であることが知られています。また、膵癌は線維化が高度であり、癌における約90%が線維化であり、高度な線維化が膵癌の悪性度の高さに関連している可能性が考えられます。我々はヒトにおける膵癌では線維化が多様であり、 Vimentin陽性 αSMA陰性の間葉系細胞が膵癌予後不良因子であることを報告しました。 (Ann Surg Oncol. 2019 Dec;26(13):4791-4804) 

現在も消化器癌における線維化の意義、免疫細胞と関与や癌悪性化への機序について Translationalな研究を行っています。
 
2023-2026

科研費 若手「膵癌における癌関連線維芽細胞の活性化と代謝変化に及ぼす低酸素環境の影響」

2020-2023

科研費 基盤C「消化器癌のリンパ節転移における細網線維芽細胞の意義と機能解析開発」