上部消化管外科

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Stomach

対象疾患:胃の腫瘍(胃癌、胃粘膜下腫瘍、悪性リンパ腫)、消化性潰瘍など

 

[胃癌の治療]

 
胃の手術症例は局所切除を除き年間50例を超えます。このうち 約半数はロボット手術を、3-4割は腹腔鏡手術を行っています。
一部の早期胃癌や粘膜下腫瘍に対しては病巣に応じて内視鏡下粘膜切除や内視鏡-腹腔鏡合同手術(LECS :Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)も行っています。
今日、日本胃癌学会より”胃癌治療に対するガイドライン第5版”が提唱されております。 それに加えて、外科的切除に際しては確実且つ過不足ないリンパ節郭清を行うと共に、 進行度に応じた機能温存術式(神経温存・噴門側胃切除・ダブルトラクト再建など)を行っています。また高度に進行した胃癌の場合、術前化学療法を行い、腫瘍の縮小をはかった後、根治的切除を行っています。
 

滋賀医科大学附属病院では上記すべてのロボット手術を保険診療内で受けていただけます。

滋賀医科大学附属病院では201712月よりda Vinci Si (Intuitive Surgical Inc.)を用いたロボット支援下胃切除術を導入し、20233月より同社のda Vinci Xiに機種変更となって以降、現在まで安全に施行しております。
また、2018 7月からは滋賀県内で初めて上記すべてのロボット手術を保険診療内で受けていただける施設となり、20237月からは、国産(メディカロイド)社製のロボット「HinotoriTM」によるロボット支援下胃切除も受けられるようになりました。
これらの手術は先進的技術であり、ロボット支援下手術の経験はもちろんのこと、胃がんに対する外科的治療の経験も必要な条件(胃癌全体で50例以上、このうち腹腔鏡手術20例以上、ロボット手術を10例経験した常勤医師が1名以上配置されていること)となっており、限られた施設でしか保険適応内で受けられない手術となっています。当科では内視鏡外科学会の定めるロボット支援手術プロクター制度により認定された外科医による指導のもと、安全な手術を行っております。

※患者さんの許可を得て掲載しております

ロボット支援下胃切除術の特長

ロボット支援下手術は、
①手ブレ防止機能
②ハイビジョン3次元立体画像
③多関節機能
④モーションスケール機能
など最先端の技術を有しています。
これまでの手術と比較して、より繊細な手術を行える手段として期待されています。

Esophagus

食道

対象疾患:食道の腫瘍(癌・その他)・食道アカラシア・食道裂孔ヘルニア・食道憩室・食道穿孔など

 
[食道癌の治療]

当院は食道外科専門医在籍の施設で、滋賀県で唯一の食道外科専門医認定施設です。


 
・食道癌に対する手術は年間約30例滋賀県内では最も多くの手術を行っています。傷が小さく、低侵襲を目指した胸腔鏡手術を積極的に行っております。
 
・癌の進行度に応じて放射線・化学療法を含めた適切な治療法を選択しています。一部の早期食道癌に対しては、消化器内科との協力の下、内視鏡的切除を行っています。
 
・化学療法や放射線療法を組み合わせて、切除不能と判断された癌でも根治を目指した治療を行っています。
 
・食道癌に対する治療は他の消化器癌の治療と比して高い侵襲を伴います。栄養療法、リハビリ療法を充実させて、退院後の生活の質を落とさないことを目指した周術期管理を行っています。

・外科的切除で望ましい予後が得られないと考えられる症例に対しては、 放射線化学療法を選択すると共に、経口摂取の可能にするためのバイパス手術やステント留置も行っています。

    • リンパ節転移の状況
      • 癌がどの部位に存在していても、リンパ節転移は頚部から腹部までの至る場所に起こりうる可能性があります。 癌がたとえ粘膜内に留まっていたとしても、“粘膜筋板”より深く浸潤すると飛躍的にリンパ節への転移が起こりやすくなります。

 

    • 早期食道癌の治療
      • 内視鏡的切除(ESD) 
      • 内視鏡的に癌を切除します。リンパ節転移が明らかに無いと考えられる症例が適応です。 これは当院消化器内科にお願いしています。

 

    • 進行食道癌の治療
      • 癌が粘膜筋板以深(粘膜下層以深)に浸潤すると、リンパ節転移の頻度は飛躍的に増加します。 リンパ節転移の個数が4個以上の症例では、予後は不良です。 
      • 壁深達度が外膜におよぶ症例では、手術だけでは予後は延びません。 手術療法と放射線化学療法の併用を積極的に行っています。

 

    •  食道の手術のポイント 
      • リンパ節の郭清範囲は頚部・胸部・腹部の3領域にわたります。 
      • 声を出す重要な器官である声帯の動きを司る反回神経に沿ったリンパ節は、 転移頻度も高く注意深く摘出しなければなりません。 再建臓器としては一般に胃が使われます。どうしても胃が使用できない場合には大腸や小腸を使います。

 

    • 切除不能な食道癌症例
      • 切除不能な高度進行食道癌では、放射線化学療法を行っています。 治療効果が良好で、切除可能な状況になれば積極的に切除を行います。

 
 

Gastroduodenal Disease

胃十二指腸疾患

対象症例:腫瘍(胃癌、十二指腸癌・十二指腸乳頭部癌・粘膜下腫瘍・悪性リンパ腫)・消化性潰瘍など

 
[胃癌の治療]
胃癌の切除例は年間60例を超えます。5年生存率は69%で、 各進行度別評価においても他施設をしのぐ生存率を得ています。
一部の早期胃癌や粘膜下腫瘍に対しては病巣に応じて内視鏡下粘膜切除や腹腔鏡下切除術も行っています。
今日、日本胃癌学会より”胃癌治療に対するガイドライン”が提唱されております。 それに加えて、外科的切除に際しては確実且つ過不足ないリンパ節郭清を行うと共に、 進行度に応じた機能温存術式(神経温存・幽門輪温存・ 代用胃作成など)を行ってきました。
 
 
 

Metabolic Surgery

肥満・代謝改善手術

日本で2014年に、厳しい条件を満たした施設が、保険診療で腹腔鏡下胃スリーブ状切除術を施行することができるようになりました。当院はその条件を満たし保険診療で腹腔鏡下胃スリーブ状切除術を施行しています。また、当院は日本肥満症治療学会が認めた、全国に現在17ある肥満外科手術認定施設のひとつです。
肥満外科手術を行っている施設とその状況(2019年時点)