〒520-2192 大津市瀬田月輪町
滋賀医科大学
生化学・分子生物学講座
分子病態生化学部門 
TEL: 077-548-2162(研究室)
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部門長メッセージ

昨年度(2017年度)より当研究室での新たな試みとして、カニクイザルを用いた循環器疾患/生活習慣病の研究に取り組んでいます。滋賀医科大学は霊長類のカニクイザルを基礎医学実験に利用できる日本(世界的に見ても)有数の研究施設です。具体的には、(1)心不全モデルの作製、(2)脂質異常症モデルの作製を、動物愛護に十分留意しつつ行っています。特に、(2)のモデル作製には、動物生命科学研究センターのご協力の下、最新の遺伝子改変技術を活用して研究を進めています。

基礎医学実験ではこれまで、哺乳類での個体反応を見るために、マウスをモデル動物として使用することが多く行われてきました。マウスは個体サイズが小さいこと(時として、短所にもなりますが)、ライフスパンが短いこと、10匹前後の多数の胎仔を妊娠できることなどから、実験動物として扱いやすいのがその理由として考えられます。しかし、マウスで見られた反応や実験結果について、トランスレーショナル研究としてヒトへの応用を目指す際には、十分注意する必要があります。例えば、血行動態(特に、脈拍数)や脂質代謝システムは、マウスとヒトでは大きく異なります。このようなことが、基礎研究の成果を臨床応用するのにしばしば非常な困難をもたらしている原因(いわゆる"Death valley")につながるのではないでしょうか。

この困難を解決する一つの手段として、ヒトに近い霊長類を実験モデル動物として使用することは有用であると思われます。上記(1)、(2)のモデル動物作製は世界初の試みでもあり、サイエンスとしても大きな意義があると考えています。マウスをモデル動物として用いる場合と逆の短所はあるものの、カニクイザルでのモデル動物作製に成功できれば、新規候補薬の前臨床における最終的な作用効果確認や安全性確認などに大きく貢献できることが期待されます。
 このような新しい試みに、是非、若い研究者の方と一緒に取り組んでいけたらと考えています。現在、当研究室には海外から来日した大学院生、ポスドクが研究に励んでくれていますが、国内からの大学院生、ポスドクも入ってきて頂きたいと強く思っています。本学大学院への応募方法はこちらをご覧ください。直接のお問い合わせも歓迎致します(連絡先は、左記ご覧ください)。今年度も、本学の研究環境の特長を活かして、本研究室独自の研究を推進していく所存です。

 平成30年4月

扇田 久和

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