滋賀医大ニュース - page 7

ケアも含めたシステムづくりは大学
でないとなかなかできないと思います。
本学はそういう意味でチームワークの
良い大学 ので、 作り上げていくこと
ができるのではな かと思います。
依馬
動物生命科学研究センターと
しては、 カニクイザルを大規模に飼育
している、 国内随一、 唯一の研究機関で
あるということで、 その強み 活かし
ながら基礎医学や臨床医学の研究者の
方々と連携して認知症の研究にあたり
たいと考えています。
堀池
本学では、 平成
28年度から第3
期の中期計画期間が始 ります 、 基
礎医学と臨床医学 が連携して取り組
む認知症研究の展開に大いに期待して
います。
本日はどうもありがとうございました。
(対談日 : 平成
26年
12月
17日)
学の分子 でもトップレ
を主体とした研
く、 もちろん臨床の
で基礎研究を行ってい
ますが、 基礎研究に重点を
組織はなかなか少ないのです
本学だけではありませんが、 基礎
究の成果をいかに臨床に展開してい
くのかという点が課題であり、 当セン
ターでも今後、 強化していく必要があ
ると考えています。
そのひとつに、 臨床応用をめざした
動物実験である前臨床研究が挙げられ
ます。 特にサルを使った前臨床研究は、
滋賀医科大学の特色を活かせるのでは
ないかと考えています。
依馬
サルに関してはMR医学研究
分野との連携も重要ですね。
遠山
そうですね。 現在、 認知症の画
像診断の 中心になって
ないMR画像診
断法として期待され
開発した
Shiga-Y
などのMR画像診断
薬は、 この分野で貢献でき
います。
堀池
先生方のお話をお聞きしてい
ますと、 研究から治療への応用も含
て取り組む、 横断的な組織はもちろん
必要ですが、 大学の外にある様々な組
織との連携も重要ですね。
認知症の基礎研究から、 臨床、 さら
にはケアなどのシステム構築まで
堀池
今後の展望についてお話しい
ただけますか。
遠山
滋賀医科大学の第1期および
第2期中期計画の5つの重点研究の
中に、 神経難病研究、 サル
を用いた医学研究、 MR医
学研究があります。
これら3つの研究を担っ
てきた分子神経科学研究セ
ンター、 動物生命科学研究
センター、 MR医学総合研
究センターを連携させ、 そ
こに産学連携の役目を担
うバイオメディカル ・イノ
ベーションセンターと さ
らには基礎医学講座と臨床
医学講座 たな機構を作
礎研究の成果を
する認知症をはじめ
神経難病の研究拠点
したいと考えています。
この機構を通して、 本学
のミッションの再定義に掲
げてあります、
「先端的で特
色ある研究とともに、 新た
な医療技術の開発」 を目指
していきたいと思います。
山田
臨床の立場からは、 まず診断が
一番問題になりますが、 滋賀医科大学
がこの領域で役割を十分果たして、 早
期診断法の開発などで成果を出して
いけば、 地域のみならず国全体に役立
つものになるのではないかと思って
います。
野﨑
高齢化に伴って、 健康寿命の長
さが課題になってきていますが、 人が
最後に抱えている は認知障害である
と思います。
国民がよりよく生き、 生活するため
に、 終末期医療も含めた、 より大きな医
療全体の施策も理論的に構築できるよ
うな役割を期待しています。
前川
認知症というのは、 非常に大き
な国民的 病気になりつつあると思い
ます。 滋賀医科大学において基礎研究、
臨床、 ケア ・ 介護を統合したシステムを
作ることが非常に重要だと思います。
野﨑 和彦 教授
前川 聡 教授
SHIGA IDAI NEWS vol.25
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