滋賀医大ニュース - page 9

ですべて 必要ないか、
他への広がりや
その後の治療方針の
を臨床医に提供します
体の深い部分に病変があっ
織診断が難しい場合には、 手
取された病変組織を調べる術中迅
断が行われます。 通常診断に要する
間は
15~
20分程度で、 診断の結果をも
とに手術で切除する範囲などが決定さ
れます。 
ご遺族の承諾のもとに、 病気で亡くな
られた患者さんのご遺体を解剖して、 死
因や治療効果などを調べるのが 理解
剖で、 剖
す。 生前の診
な治療が行われ
ることで、 今後の治
できます。 病理解剖
学 ・ 医療の進歩を支えてき
過言ではありません。 また、
卒後医 教育にとっても極めて重
役割を担っています。
臨床医との連携で実現する
より正確な診断と適切な治療
滋賀医科大学附属病院の病理診断科
では、 複数の病理専門医と細胞検査士
を配置し 出されるすべ
いて形態診断を
査は年間約8, 00
約6, 000件、 術中
間約700件実施していま
安全を重視し、 検体の取り違
どがないよう 「指差喚呼」 による
を徹底し 
病理標本の作
リン ・エオジン
が、 必要に応じて免
in
situ hybridization
(ISH法) などの特
殊検査を加えて、 詳細に検
る体制を整えています。 検体
れた後、 できるだけ早く診断結果
SHIGA IDAI NEWS vol.25
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胃がん診療における病理専門医の役割
病理診断をもとに手術方針を決定・変更
追加治療、患者さんの予後(転帰)の推定
病気の種類を決めないと治療が始まらない
腫瘍(しゅよう、新生物)かどうか?
腫瘍ならば良性腫瘍か、悪性腫瘍(がん)か?
どんな種類の腫瘍か?(腫瘍もいろいろ)
比較的良いがんか?たち(性質)の悪いガンか?(がんもいろいろ)
•胃の病気を確定的に診断する
1
剥がしてはいけないタイプのがんなので、外科で手術するか?
•胃カメラ(内視鏡)で剥がしても良いタイプのがんか?
2
治療を追加する必要があるだろうか?
分子標的治療が効くがん細胞だろうか?
•がんはどれだけ進んで(広がって・もぐり込んで)いるか?
3
•がん細胞が胃以外に転移していないか?
4
•手術で取り残しはないか、胃がん細胞はちゃんと
 採りきれているだろうか?
5
凍結切片作製装置(クリオスタット)
組織片をマイナス16~20℃で凍らせて薄くカットする装置。これを染
色して顕微鏡で観察するための標本を作成する。
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