滋賀医大ニュース - page 8

細胞や組織を調べて
適切な治療方針 導く病理診断
病理診断では、 摘出された臓器や組
織を肉眼的にしっかり観察した上で、
顕微鏡標本 (組織標本) を作成して、 病
変の形や大きさ、 位置関係などを病理
専門医が総合的に評価して、 診断 ・ 治療
に役立てます。
病理専門医の仕事には次のようなも
のがあります。
■生検組織診断
細胞診断
手術で摘出された臓器 ・ 組織の診断
手術中の迅速診断
病理解剖
生検組織
内視鏡検査を
を採取して、 そ
標本にし、 良性、 悪
ます。 
細胞診断は、 例えば子宮が
は、 子宮頸部の細胞をこすり
て、 がん細胞の有無を調べます。
乳房にしこりが見つかった時には、
こりに細い注射針を刺して 吸引
してがん細胞がないか 調べます。
また、 手術で切除された臓器を詳し
く調べて、 がんの場合は大きさや深さ
(浸潤) 、 血管 ・ リンパ管への侵入がない
かを調べます。 そして、 悪い部分が手術
SHIGA IDAI NEWS vol.25
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 患者さんの体から採取された組織や細胞を、顕微鏡
などで観察して病変の有無や種類について診断する病
理診断。特にがんの治療では、がんの種類などを見極
める病理専門医の診断によって、治療の方針などが最
終的に決定されるため、たいへん重要な仕事です。
 滋賀医科大学医学部附属病院では、2014年6月に
「病理診断科」の標榜を開始し、各診療科や基礎講座と
連携しながらより精度の高い診断と病理専門医の育成
を目指していくことになりました。
臨床検査医学講座 教授
(病理診断科科長、検査部・病理部・輸血部部長)
く し ま
嶋 亮
りょうじ
適切な治療、質の高い医療を支える
最終診断の担い手“病理専門医”について
~より精度の高い診断を目指して「病理診断科」を開設~
手術で切除された大腸。腫瘍の大きさや深さ、
血管・リンパ管への侵入がないかを詳しく調べる。
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