滋賀医科大学看護師特定行為研修について

滋賀医科大学が、厚生労働省が定める「看護師の特定行為研修」において、平成28年2月に、国立大学として初めて「保健師看護師法に基づく特定行為研修」の指定研修機関として指定を受けました。


滋賀医科大学 理事(兼副学長)
滋賀医科大学医学部附属病院 病院長
田中 俊宏

病院長(特定行為研修責任者)挨拶


特定行為研修は平成26年に制度が作られ、平成27年に実施されました。滋賀医大附属病院は平成28年から研修をスタートし、現在に至っています。国立大学では一番初めにスタートした歴史があるため、多重に工夫をしています。研修そのものを、2つのコースにして、一つは研修センター入り口とした研修、もう一つは、大学院修士課程を入り口とした研修、としています。働きながら特定行為の研修をするのか?学位を得ることも含めるのか?学生に戻って特定行為の研修をするのか?と多彩なコースを用意する様にしています。また、授業もできうる限りe-learningとして、事前の受講ができる様にしてあります。これらは研修を行いやすくするための工夫です。さらに研修が終わった後、滋賀医大に勤務する看護師に対しては、特定行為業務管理委員会を作って、手厚い支援策を講じています。
 特定行為研修修了者(特定看護師)は、今後益々、病院に、地域に、そして社会に必要とされる存在とると思われます。奮って応募いただきたく思います。


看護師特定行為研修センター長
学長補佐 / 副病院長
麻酔学講座 教授
北川 裕利

センター長 挨拶


滋賀医科大学看護師特定行為研修推進室は、開講区分を3区分6行為から9区分20行為へ拡充し、受け入れる定員数も5名から16名に増員したことに伴い、2017年4月1日付で看護師特定行為研修センターに改組されました。2020年4月1日現在では、定員30名、17区分34行為にまでなりました。本センターのミッションは、高齢化の進展により拡大する医療ニーズを対応し、チーム医療を推進し、医療のマンパワー不足の解消にむけ、即戦力となる実務者(看護師)を養成することです。特定行為研修修了者(特定看護師)は、看護師のマインドを大切にしながら特定行為を行うことのできるエキスパートになります。そのために250時間を超える共通科目を履修し、さらに区分別科目の講義と実習を受けることではじめて研修修了となります。まだこの研修では特定行為手技が手順書に従って実施できることに注目されがちですが、これまでの看護師教育課程にはない医学の臨床推論を学ぶことは、それにも増して重要と考えます。それは、医師が行う症候の診断過程を身に付けることで患者状態の的確な判断のもと、より安全に特定行為手技の実施や医療チームや医師への的確な報告ができるようになると確信しています。こうした実践力の高い特定行為研修修了者(特定看護師)が医療現場に配属されることで看護師全体のボトムアップがもたらされると期待しています。
 滋賀医科大学看護師特定行為研修センターから2017年5月に初めての修了者が誕生しました。しかしながら、医療の実践現場では修了者と受け入れ施設の両者ともに戸惑いがあると思います。そこで特定行為活動を後押しする特定行為業務実践支援部門を2017年5月1日付でセンター内に設置することになりました。特定行為研修修了者が病院や各施設内でスムーズに役割が遂行できるように体制を整備し、多職種との相互理解を深める啓発活動を行うことで研修修了後のフォローアップや環境づくりにも関与してまいります。 
 滋賀医科大学看護師特定行為研修センターでは県内のみならず近隣府県の看護師の皆様にも広く門戸を開放しています。また、eーラーニングを取り入れて、就労しながらでも取得できるカリキュラムとなっています。急性期から在宅まで地域医療に携わる多くの看護師の皆様のご応募をお待ちしています。