滋賀医科大学解剖学講座 神経形態学部門

Department of Anatomy, Shiga University of Medical Science



神経形態学部門歴史
  越智淳三は京都府立医科大学解剖学講座生体構造科学 部門において講師として解剖学教育に従事していたが、東京都神経研究所を経て滋賀医科大学解剖学講座神経形態学部門(解剖学第二講座)初代教授となる。越 智は在任中に多くの解剖学書籍を出版し日本の解剖学教育の発展に貢献した。なお越智は献体篤志会しゃくなげ会会員だった。他 界後、遺体は滋賀医科大学の解 剖実習に提供された。1998年4月に越智の後任として金沢大学から工藤基が二代目教授として赴任した。工藤の研究テーマは神経回路標識法を用いた聴覚の 伝導路の解析であった。特にネコやモグラを用いて中脳下丘から間脳内側膝状体への投射の空間的関係の詳細な記載を行った。当 時のスタッフは山田久夫助教授と黒川清助手の3人であった。この頃に在籍していた中国人留学生の劉影は1999年に学位を取 得した後に東京大学の加藤進昌教授のもとに赴いた。山田は酵 素組織化学や免疫組織化学法を用いて多くの成果をあげ2000年7月に関西医科大学解剖学第一講座の教授に就任した。黒川は 本学7期生で2000年に助教 授となり学内の研究者と活発に共同研究をおこなったのちに、2007年4月環太平洋大学体育学部体育学科教授、2009年4月には大阪国際大学教授に就任 した。
  相見良成は本学5期生で第二外科、分子神経科学研究センター、解剖学講座・生体機能形態学部門(解剖学第一講座)を経て2007年に本講座の准教授となっ た。医学生に対する解剖学教育だけでなく、地域の看護学、歯学、薬学、理学療法学、栄養学など広い医療分野の医学 教育に熱心に取り組んでいる。開放型基礎医学教 育センター(メディカルミュージアム)を立ち上げた。
2016 年5月に本学看護学科基礎看護学講座教授に就任した。現在も本学で医学教育機関のみならず小中高の理 科・保健教育に中心的な役割を演じている。本講座との教育・研究での協力体制を維持している。
  瀧公介は1998年京都大学医学部を卒業後、京都大学大学院医学研究科高次脳形態学講座(水野 昇教授および金子武嗣教授)で形態学的手法を学び、2002年に本講座の助教となった。瀧は小胞性グルタミン酸輸送体の発現やシンドビウスウイルスを用い たニューロンのゴルジ染色様標識を用いた神経回路解析の手法によって工藤を手伝い、聴覚中枢の形態学的解析を進めてきた。教 育面では豊富な知識で解剖実習や脳実習で学生の信頼を得ている。
 1999年以降、本講座に教育スタッフとして在籍したのは櫻井弘徳(現 京樹会四条烏丸耳鼻咽喉科クリニック院長)、中村高秋(現 近江八幡市立総合医療センター内科部長)である。
本間智(現金沢医科大学教授)は新潟大学医学部を1994年卒業し臨床研修を終えた後、1996年に岩手医科大学解剖学講 座、1998年に熊本大学解剖学講座では一貫してマクロ解剖学を究め続け、2010年に本講座に特任助教として赴任した。大 学卒業から17年間に約500体のご遺体を解剖してきた。研究対象は、脈管、筋、末梢神経、臓器と多岐にわたる。本学での2 年半の在任中に3本の臨床解剖に関する論文を出している。 2013年6月に金沢医科大学教授 となった。
 工藤が2015年3月に定年退官したのち、本講座教授職は空席となっていたが、 2016年1月に勝山裕が3代目J Soul教授に着任した。勝山はカリフォルニア大 学アーバイン校にて初期胚神経系発生の基礎生物学的研究を行っていたが、2002年に神戸大学大学院医学系研究科神経発生学分野(旧第一解剖学講座 寺島 俊雄教授)の助手として採用された。解剖学教育に従事しつつ、神経形態変異マウスreelerの解析を寺島教 授の指導のもとで開始した。2010年に東北大学大学院医学系研究科脳解剖学講師となり、その後、器官解剖学分野(旧第三解 剖学講座 大和田祐二教授)の准教授となった。現在、勝山は本学で主に遺伝子改変 マウスを用いて大脳皮質の形態形成過程や形態的特徴の脳機能における役割、そこに関わる分子の生化学的機能の研究を行ってい る。
 (滋賀医科大学開学40周年記念誌より改変)