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や負担も が非常に厳 ては容易なこと

感じています。 そ

掛けにも通じるかもし

り地域との連携を密 し

重要になってくると考えてい

学長 :

国立大学の現状は、 報道もされ

いますよう たいへん厳しくなっ

ます。 競争原理を取り入れるのは当然

必要ですが、 運営費交付金が法人化以

来、

12

年間に毎年1〜

1.3

%削減され、 全

国立大学法人がたいへん苦し 状況に

なっています。 国際的なランキングも

軒並み落ちてきているということで、

たいへん危惧される状況です。

知事 :

これからの国や地域を創ってい

くために、 それぞれの分野の高度な人

材を養成する教育機関、 これは極めて

大事な役割を果たします。 ましてやグ

ローバル化していろいろな仕組みが複

雑化する世の中においては、 ます す

重要性を増してくると考えています。

その中にあって、 競争原理や予算の配

分だけで、 その教育環境が厳しい状況

に追いやられてしまうのは、 私もなん

とか打開し改善していかなければなら

ない事態だと思っています。 その意味

で一つ私のほうから提案し、 これから

の課題として考えたいと思っ る

ことは、 滋賀医科大学の持っているリ

ソースだとか様々な取り組みを、 すで

に随分ご が、 もっと という努力をお

よって、 例えば動

ターの取り組みなどは

とか治療方法を確立する

て大切な研究教育分野である

すし、 さまざまな機器開発のた

み重ねてこられた貢献、 こういった

ともまだまだ県民、 国民に知られてい

ないと思います。 それを知ってもらう

ことによって、 学生が集まり、 研究者が

集うということもあるんですが、 こう

いう分野に予算を投入することに対す

る理解が進むことになると思います。

これもある意味では大学とその大学の

所在する自治体とが、 もっともっと連

携できる分野ではないか 思います。

例えば周産期医療センターやNIC

Uの取り組みなども、 今まで助からな

かった命を助けていただくという意味

において役割を発揮されています。 滋

賀県と連携して取り組んでいただいて

いる、 がんの治療などを受ける患者さ

んの生殖機能を保存する妊孕性温存、

そういう取り組みも次の時代に必ず役

立つでしょうし、 認知症の治療方法や

治療薬の開発にも取り組んでいただい

ております。 こういったことを国や世

界に対して一緒に発信し 理解や協力

を得られるような環境を整えていけた

らと思います。

病院長 :

確かに大

病院の中の一

いなくて、 8割

きる標準的な医療を

ベルで、 より成績の良

うとしているわけです。

割については他ではなかなか

症例で、 この部分の高度医療を

やるほど出費がかさんで、 経営的に

マイナスになる場合が多いのです。 し

かし、 最終的な受け皿になる特定機能

病院、 県内唯一の大学病院として、 ど

うしてもやらなくてはいけない特定

領域のいくつかの分野があります。 特

に周産期とか小児医療、 精神とかは、

県からもいろいろサポートをいただ

いております。 また、 循環器について

はかなり自力で投資 まいりまし

て、 非常に質の高い医療を

提供しております。 そうい

う他所ではでき いよう

なところに是非、 県のご理

解をいただき、 引き続きサ

ポートをいただけたらあり

がたいと思 ます。

知事:

高度高質な医療を提

供すれば、 同時に経営の面

での課題も出てくるとい

うことで が、 しかしベー

シックな部分で病院として

期待される役割もあり、 そ

ういう中での病院経営は本

当にたい そ、 病院長 連携の中で、 よ

発揮していこうと

を見通して特色のある

て磨いていこうとされる

味では先 性も問われますし

任というものも問われますので

いったところをぜひ協力しながら

ていければと思います。

議 会 で も 医 療 ・ 福 祉 ・ 健 康 は テ ー

して多いですし、 滋賀医科大学が果た

す役割などについても問われることが

多くあります。 この点でも、 私はこれま

での取り組みがじわっと県民に広がっ

てきている一つの証左ではないかと思

います。

学長 :

これからどんどん高齢化が進み、

SHIGA IDAI NEWS vol.27

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滋賀医科大学医学部附属病院長 松末 吉隆