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がんサバイバーシップ

近年、医療の進歩により多くの小児がんは治癒し、20~30歳代の1/700人が小児がん経験者(Childhood Cancer Survivors: CCS)であると言われています。原疾患と治療、さらに加齢の影響によりその後も様々な臓器・心理認知機能に合併症が起こることがあり(晩期合併症)、長期的にフォローアップを受けることが大切です。

当科では2019年からCCS長期フォローアップ外来(CCS外来)を開設し、がん治療医と各領域の専門医(循環器・腎・内分泌)による合併症スクリーニング検査を行っています。また、症状によって神経・発達の診察を受けることができます。成人診療科とも連携し、移行期の合併症にも対応しています。

CCS外来では小児がん経験者の成長発達のサポートと晩期合併症の早期発見ができることを目指しています。さらに、小児期から成人期に渡り、患者さんが自分自身の健康管理ができるようサポートをしたいと考えています。当院で治療を受けられた方だけでなく、どなたからでもご相談を受け付けています。

造血器悪性腫瘍(白血病、悪性リンパ腫他)、良性腫瘍(免疫性血小板減少症、再生不良性貧血他)、固形腫瘍(脳腫瘍、神経芽腫他)、その他血液疾患(血友病他)等、幅広い小児がんの診療を行っています。
医師-患者の関係の中であっても、もっと基本的な人間同士の関りを大切にしています。常に患者さんの目線で、子どもたち、親御さんの気持ちになって治療に臨んでいきたいと考えています。そのために、医師・看護師のみならず、薬剤師、リハビリスタッフ、栄養士、院内学級教諭、保育士、ソーシャルワーカー等、さまざまな職種のスタッフと定期的に多職種カンファレンスを開き、それぞれの専門分野から見た患者さんの問題点を出し合って解決するようにしてます。退院前には復学支援として、地元校の教諭にも来ていただき、治療を終えたこどもたちが、スムーズに元の生活に戻れるサポートもしています。
治癒、寛解した先も、身体のみならず精神的な面(学習、病識、就職等)も、同じように大切だと考えており、CCS(がんサバイバー)外来を設け、長期に渡るフォローも行っています。
また病院から離れて、1年に数回、がんサバイバーの子どもやそのご家族を交えた、小児血液キャンプを開催しています。病気のことも大切ですが、ここでは医療者-患者の関係は忘れて、人間同士の関わりを何より大切にしている、とても大事な時間だと考えています。