東近江がん診療セミナー

 

第11回東近江がん診療セミナー

平成29年3月23日(木)18:00〜


 『第11回東近江がん診療セミナー』は、滋賀医科大学医学部附属病院の緩和薬物療法認定薬剤師の森井博朗先生をお招きして『がんの痛み治療ー突出痛とレスキュー薬についてー』の講演をして頂きました。
 がんの痛みには持続痛と突出痛があり、広義な突出痛としては、持続痛の有無や程度、鎮痛薬治療の有無にかかわらず発生する一過性の痛みの増強を差し、狭義な突出痛は、持続痛をコントロールされている患者に発生する一過性の痛みの増強を差し、突出痛の発現から終息までの時間が平均約15分〜30分程度であるとして、突出痛のタイプから分類した痛みの病態とその対処例についてお話頂きました。
 突出痛は、がん患者さんの50〜60%が経験するといい、定期鎮痛薬だけでなく、疼痛時の指示およびレスキュー薬についてアセスメントを行い、カルテに記載するなど情報共有することが大切だと締めくくられました。
 その後の症例検討では、当院緩和ケアチームの朝日信一薬剤師より、『オキシコドンによる癌性疼痛緩和を行った1症例』として、患者さんの症状と薬剤投与の状況を時系列で追っていき、この症例に対する問題点の洗い出しと改善案が提示されました。
  次回のがんセミナーは4月20日(木)18:00〜『円滑なチーム医療を目指して』をテーマに行います。

長谷川英利薬剤師

総合司会

森井 博明先生

特別講演講師

朝日 信一薬剤師

症例検討

コメンテーター

  症例検討の様子

第10回東近江がん診療セミナー

平成29年2月2日(木)17:30〜


 『第10回東近江がん診療セミナー』は、産業医科大学若松病院緩和ケア・血液腫瘍科 診療科長の寺田忠徳先生による特別講演『終末期の癌疼痛治療〜オピオイド注射剤の現状と展望について〜』と、これに関連する症例検討会を行いました。
 ご講演では、緩和医療が注目されている理由や背景を踏まえた上で、実際の日本の緩和医療の現状とご勤務先である産業医科大学若松病院での緩和医療の診療目標や現状を照らし合わせながら、実際の現場で用いる薬剤の使用方法や留意点を、その場、その時、その患者さんに対応した症例をいくつかの例をあげながらお話いただきました。
 また続いて行われた症例検討会では、「オピオイドタイトレーション〜持続静注から貼付剤へ〜」のタイトルで近江総合医療センター緩和ケアチームの医師・瀬戸山博先生と緩和ケアチーム薬剤師・朝日信一先生から発表があり、講師の寺田先生も交えた意見交換がされました。
 次回のがんセミナーは3月23日(木)18:00〜『がんの痛み治療ー突出痛とレスキュー薬についてー』をテーマに行います。

瀬戸山 博先生

総合司会

坂野 祐司先生

座長

若松 忠徳先生

特別講演講師

朝日 信一薬剤師

 症例検討

第9回東近江がん診療セミナー

平成28年12月16日(金)18:00〜


 『第9回東近江がん診療セミナー』は、滋賀医科大学医学部附属病院がん看護専門看護師 医療リンパドレナージセラピスト 服部聖子先生による特別講演『リンパ浮腫の診断とケア』と、これに関連する症例検討会を行いました。
 服部先生からは「浮腫の診断」や「リンパ浮腫の種類と原因」など、基本的な知識の再確認の後、リンパ浮腫ケアの実際について約30分間の講演をしていただきました。講演の中でリンパ浮腫ケア(複合的理学療法+セルフケア指導)について ①スキンケア ②医療徒手リンパドレナージ ③圧迫療法 ④圧迫下での運動療法 の組み合わせをセルフケアできることが大切で、患者さんが自己管理でき、なおかつ継続できるような指導を行うのが重要であるとお話がありました。
 また引き続き行われた症例検討会では、東近江総合医療センター看護部 中村茉耶助産師による「子宮頸がん患者へのリンパ浮腫予防指導の一例」が発表され、患者さんの「リンパ浮腫になりたくない。できることがあれば、やりたい」という希望に沿った指導を行うことにより、いかにして患者さんとの信頼関係を構築してきたかが紹介されました。
 次回のがんセミナーは2月2日(木)17:30〜『終末期の癌疼痛治療 オピオイド注射剤の現状と展望について』をテーマに行います。

瀬戸山 博先生

総合司会

宮城 暢子看護師

総合司会

服部 聖子先生

特別講演講師

中村 茉耶看護師

 症例検討

第8回東近江がん診療セミナー

平成28年11月18日(金)18:00〜


  『第8回東近江がん診療セミナー』は、金沢赤十字病院 副院長(第一外科部長)の西村元一先生による特別講演『がん治療医ががんとなり、見えたこと、感じたこと』を行いました。
 今回は広く一般市民や院外の医療関係者にも門戸を開いた公開講座とし、医療者の立場とがん患者の立場の両方を経験された先生ならではのお話のあれこれを、一般の方にもわかりやすい内容で講演をして頂きました。
 自らががん患者となって、医療者として見てきた景色と、患者となってから見えた景色とのギャップ、またこのギャップを減らすためにはどうするべきか、またがんを患ってもその人らしく生きられることに気づける場、出会いの場が必要だという観点から『元ちゃんハウス(金沢マギー)』というがん患者の拠点施設の創設とその活動内容など、がんになった自分にしかできないことを、たっぷりの時間をかけてお話頂きました。

 講演の最後には「たとえ医療者が治癒と判断しても患者は”ずっと"がん患者である。患者さんとの良好なコミュニケーションのもとで(人生の)目標設定に関わってほしい。目の前の患者さんがどうような人生を送ってきたのか?その上で何のために治療を受けているのか?そして患者の想いをしっかりと理解した上うえで医療を進めるべき」など、医療者に向けたメッセージで締めくくられました。また、一般から参加された方は「たくさんの病院関係者がこのような講演会に参加されているのは、一市民として嬉しい。参加して良かった。」との感想を頂きました。
 次回のがんセミナーは、12月16日(金)18:00〜『リンパ浮腫ケア』をテーマに行います。

瀬戸山 博先生

総合司会

西村 元一先生

特別講演講師

目片 英治先生

閉会挨拶

会場の様子

 

第7回東近江がん診療セミナー

平成28年10月28日(金)18:00〜


 第7回東近江がん診療セミナー』は、滋賀医科大学医学部附属病院 がん看護専門看護師 木村由梨先生による特別講演『若年性がんの看護』とこれに関連する症例検討会を行いました。
 今回はがんのうちでもAYA世代(思春期と若年成年:Adolescents and Young Adults:AYA)の「若年がん」にスポットを当て、その特徴や患者さんを取り巻く諸問題について講演をして頂きました。
 AYA世代の患者さんは、健診で見つかりにくいのが特徴で、症状があっても自分ががんだとは思わないことが受診の遅れにつながることが多く、外見の変化や性への悩み、恋愛、結婚、妊娠、出産、学校、就労・・といった人生の大きな岐路に立つAYA世代ならではのケアの難しさ、またその家族へのケアについても具体例を挙げて紹介して頂きました。
 この後、実際にあった若年性がんの症例をもとに、主治医・看護師・事務職員らによる症例検討会(キャンサーボード)が行なわれ、AYA世代の患者さんをどう支えていくべきか、講師の木村先生にも参加頂き、多職種で共に考える機会となりました。
 次回のがんセミナーは11月18日(金)18:00〜『がん治療医ががんとなり、見えたこと、感じたこと』をテーマに行います。

長岡 紀江看護師長

総合司会

木村 由梨先生

特別講演講師

宮城 暢子看護師

症例検討

坂野 祐司先生

症例検討

第6回東近江がん診療セミナー

平成28年9月23日(金)18:00〜


 『第6回東近江がん診療セミナー』は、滋賀医科大学医学部附属病院 薬剤部がん専門薬剤師の若杉吉宣先生による特別講演『がん薬物療法の支持療法について』と関連する症例検討会を行いました。
 がん治療のうち、とりわけ抗がん剤による治療には嘔吐やしびれ、皮膚障害といった副作用が出ることが多いが、副作用のつらさで治療が継続できなくなったり、後遺症が治療後の生活の支障となったりするのを軽減・予防する「支持療法」について、がん専門薬剤師である若杉先生から講義していただきました。講演の最後には「支持療法はエビデンスが確立しているものもあるが、対応が困難な副作用も多く存在し、治療強度と患者QOLを考慮し、個々の患者さんにあった対応が必要である」と締めくくられました。
 この後、化学療法を受けた後、皮膚発疹・爪囲炎・食欲不振のあった患者さんの症例をもとに、主治医・専門医・薬剤師・栄養士らによる症例検討会(キャンサーボード)が行なわれました。
 参加した薬剤師からは、「普段現場で得られない情報を得られた」「支持療法について再度勉強する機会となった」との感想が寄せられました。
 次回のがんセミナーは10月28日(金)18:00〜
『若年性がんの看護』をテーマに行います。

上中敏浩薬剤師

総合司会

若杉 吉宣先生

特別講演講師

松井駿亮薬剤師

症例検討

鵜飼 佳子先生

症例解説

 尾崎 良智先生

症例解説

第5回東近江がん診療セミナー

平成28年8月12日(金)18:00〜


  『第5回東近江がん診療セミナー』は、滋賀医科大学医学部附属病院の産科婦人科学講座准教授の木村文則先生に、「がん患者妊よう性温存 現状と滋賀県の取り組み」の演題で講演をして頂きました。
 ”妊よう性温存”とは、若年がん患者や免疫疾患患者に対する治療により、将来妊娠の可能性が消失しないように生殖能力を温存することです。
 がんの治療をしていく中で治療による副作用により、将来子どもができにくくなるかもと心配される患者さんに、がん治療前の精子、卵子等を保存しがん治療後に妊娠・出産の可能性を残すことで、安心してがん治療に専念して未来の家族をあきらめない支援をしていこうと、行政(滋賀県)の医療費補助(がん患者さんに限る)の内容や妊よう性温存施設の紹介がありました。
 また、治療と妊よう性を並行して行っていく中でのリスクにも触れ、しかし、妊娠の可能性を考えるあまり、治療に積極的になれなかった方が前向きになり、自分らしい人生を送っていただく後押しになれればとのお話でした。
  詳しくは滋賀医科大学産科婦人科学講座ホームページ「滋賀がん・生殖医療ネットワーク」の紹介をご覧ください。
 次回のがんセミナーは9月23日(金)18:00〜『化学療法の支持療法』をテーマに行います。
 

瀬戸山 博先生

開会挨拶

井上 貴至先生

座長

木村 文則先生

特別講演講師

会場の様子

 

第4回東近江がん診療セミナー

平成28年7月22日(木)18:00〜


 第4回目の『東近江がん診療セミナー』は、滋賀医科大学医学部附属病院のがん放射線療法看護認定看護師の小崎信子先生をお招きして『がん放射線療法の基本とケア』をテーマに講演をして頂きました。
 講演では、がん患者さんの放射線療法で最大の治療効果を得るには「完遂」が大事であること、また「完遂」するための疼痛コントロールや、治療の経過とともに出現する皮膚炎、粘膜炎などへの対症療法について約40分間、お話を頂きました。
 その後は、東近江総合医療センター 杉山由美看護師より、当院で放射線療法を受けた頭頸部がんの患者さんについて症例検討会が行われ、主治医や看護師、薬剤師、栄養師らそれぞれの立場から意見交換が行われ、互いの専門領域について理解を深め合いました。また、講師の小崎先生からも助言を頂きました。
 キャンサーボードの前には、東近江総合医療センター診療情報管理士の太田悦子さんより『院内がん登録』について、その目的と現状について説明があり、今回のテーマである放射線治療について、当院での治療件数や部位別人数について報告がありました。
 次回、8月12日(金)のがんセミナーは、『がん患者妊よう性温存現状と滋賀県の取り組み』のテーマについて取り上げます。

宮城 暢子看護師

総合司会

小崎 信子先生

特別講演講師

太田診療情報管理士

がん登録解説

堤 泰彦先生

症例解説

杉山 由美看護師

症例発表

第3回東近江がん診療セミナー

平成28年6月24日(木)18:00〜


 今回で第3回目となる『東近江がん診療セミナー』は、『滋賀医大でのがん薬物療法に対する薬剤師の活動』をテーマに開催しました。
 講師の滋賀医科大学医学部附属病院がん専門薬剤師の須藤正朝先生からは、がん薬物療法における薬剤師の役割を(1)レジメンのチェック(2)入院化学療法への関与(3)服薬指導(4)薬薬連携というコンテンツで実際の事例を紹介しながらレクチャーして頂きました。
 また18:30からは、東近江総合医療センター 長谷川英利薬剤師による症例検討会が行われ、主治医・緩和ケアチーム・病棟看護師らを交えたキャンサーボードが行われました。
 会場には59名の医療関係者の参加があり、このうち院外から参加していただいた薬剤師さんからは「院外薬局にいると院内でのことが見えにくいが、このような機会を与えていただいて勉強させてもらいました。」との感想を頂きました。
 次回のがんセミナーは、7月22日(金)18:00〜『がん放射線療法の基本とケア』をテーマに行います。また、次回セミナーより、公益財団法人 日本薬剤師研究センターの集合研修1単位の認定対象セミナーとして開催する予定です。

目片 英治先生

開会挨拶

上中 敏弘薬剤師

総合司会

須藤 正朝先生

特別講演講師

長谷川英利薬剤師

症例検討

第2回東近江がん診療セミナー

平成28年5月20日(木)18:00〜


 今年度より開催しております『東近江がん診療セミナー』の第2回目は、滋賀医科大学附属病院 皮膚・排泄ケア認定看護師の中北順子先生を講師にお招きして『終末期にある患者さんの褥瘡予防対策と治療』をテーマに開催しました。
 褥瘡の発生原因から予防、実際に発生した場合のケアなど、がん終末期の褥瘡ケアはその部分だけをみるのではなく「がんによる症状コントロールを行う」「緩和ケアの一環として行う」「局所の症状コントロールと感染制御により苦痛を図る」「寝心地、安楽性を考慮した体圧分散寝具を選択する」などが大切であると教えていただきました。
 この後、東近江総合医療センター 永倉由紀子看護師による症例検討会が行われ、その後に皮膚科・泌尿器科の医師らを交えたキャンサーボードが行われました。
 会場には69名の医療関係者の参加があり、このうち院外から参加された看護師さんからは「勉強をさせてもらいました。今後の看護に役立てたい。」との感想を頂きました。
 次回のがんセミナーは、は、6月24日(金)18:00〜『滋賀医大でのがん薬物療法に対する薬剤師の活動』を
テーマに行います。

長岡 紀江看護師長

総合司会

中北 順子先生

特別講演講師

鵜飼 佳子先生

症例解説

坂野 祐司先生

症例解説

第1回東近江がん診療セミナー

平成28年4月28日(木)18:00〜


 今年度より総合外科学講座・総合内科学講座では、東近江総合医療センターとの共催で、『東近江がん診療セミナー』を開催することとなりました。地域の中核病院として、院内外に積極的に情報を発信し、地域の医療期間、介護・福祉施設、事業所や調剤薬局等の医療従事者の皆様に、見て、聴いて勉強になると言っていただけけるようなセミナーを用意して、月1回の開催を予定しています。
 今回はその第1回目として、東近江市永源寺診療所の花戸貴司先生をお迎えして『がん患者さんの在宅移行から療養支援、看取りまで』の演題で約1時間の講演があり、院内外から65名の方がご参加下さいました。
 永源寺地域では、40〜50%という高い割合で在宅での看取りが行われており、それを支えているのは、医師、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、ホームペルパー、ディサービススタッフ、ケアマネージャー、行政、家族、ご近所の方々などの在宅医療チームであること、また30年、60年後になっても安心して生活できる地域づくりをしていきたい等、実際の事例を交えながらお話をして頂きました。
 次回のがんセミナーは、5月20日(木)18:00〜『終末期にある患者さんの褥瘡予防と治療』をテーマに行います。

 

瀬戸山 博先生

総合司会

花戸貴司先生

特別講演講師

会場の様子

 

 会場入口