東近江がん診療セミナー

 

第46回東近江がん診療セミナー

令和3年3月4日(木)17:30〜 


 『第46回東近江がん診療セミナー』第1部は「緩和ケアにおける疼痛管理」、第2部は「骨転移のリハビリテーション〜疼痛コントロールを通じて〜」の内容で開催しました。
 第1部では、がん患者さんの全人的苦痛(トータルペイン)を理解することが緩和ケアであるという概念から、単に痛みの軽減といった身体症状だけでなく、精神症状や社会的問題、スピリチャルな苦悩まで、包括的なアセスメントに対応したケアが緩和ケアであるといった内容で、痛みがもたらす心理・社会的苦痛、スピリチャルペインは患者さんのQOL(人生・生活の質)を低下させるだけでなく、その周囲の人のQOLをも低下させることから、患者さんとの関係構築に早期から介入していくことが重要であると訴えられました。また、当院の緩和ケアチームの活動内容や今年度の活動件数などが報告され、講演後の質疑では、コロナ禍で家族との面会が禁止されるなか、家族さんとのコミュニケーションのとり方や、ACPについても議論され、トータル的なケアを通じて患者さんの信頼を得ることがいかに大切であるかが確認されました。
 第2部では、骨転移のある患者さんのリハビリ〜疼痛コントロール〜のタイトルで、疼痛コントロールを円滑にすることで患者さんのADL低下を防ぎ、できることを増やして自己肯定感を高めていくことで意欲向上につなげていけるような取り組みが紹介されました。第1部の講演内容がそのまま具現化されたような症例で、患者さんやご家族の希望に耳を傾けながら、入院から在宅に移行するまでの関わりについて発表して頂きました。
 
 次回第47回のがんセミナーは、現在のところ未定です。内容が確定しましたら案内させて頂きます。
★がんセミナーは会場とZoomの併用で開催。Zoom参加をご希望の方は、東近江総合医療センター地域医療連携室(E-mail:402-chikirenkei@mail.hosp.go.jp)までメールをお願いします。

杉本俊郎先生

第1部座長

宮城副看護師長

第1部発表

長岡看護師長

第2部座長

福本看護師

第2部発表

第45回東近江がん診療セミナー

令和3年2月4日(木)17:30〜 


 『第45回東近江がん診療セミナー』は、第1部は「骨盤内腫瘍に対するチーム医療」、第2部は「外来化学療法」について取り上げました。
 第1部では、骨盤内腫瘍で入院前からADL低下があり、セルフケア取得困難と予測されたダブルストーマ造設患者さんに手術前から多職種連携で関わり、セルフケアを獲得できた事例が紹介されました。まず最初に外科の仁科先生から患者さんの病状説明があった後、皮膚・排泄ケア認定看護師の続宗師長からはストーマの基礎知識のおさらいやセルフケアを獲得するための工夫や指導について発表がありました。ストーマ造設された患者さんがストーマを保有した状態で自信をもって生活してもらうため、手術前から退院後も技術的な指導だけでなく、精神的なサポートも必要だと締めくくられました。
 第2部では、外来化学療法室の暴露対策と患者さんへの関わりについて、化学療法室の赤松看護師より発表がありました。看護師の暴露対策のほか、第1部で発表のあったストーマ造設患者さんも外来化学療法で治療中であることから、排泄物の処理方法など、患者さん本人やご家族のため暴露対策指導について説明がありました。
 
 次回第46回のがんセミナーは、3月4日(木)17:30〜 テーマ:緩和ケアで開催します。
★がんセミナーは会場とZoomの併用で開催。Zoom参加をご希望の方は、東近江総合医療センター地域医療連携室(E-mail:402-chikirenkei@mail.hosp.go.jp)までメールをお願いします。

坂野祐司先生

第1部座長

仁科勇佑先生

第1部発表

続宗看護師長

第1部発表

尾崎良智先生

第2部座長

赤松弥生看護師

第2部発表

第43回東近江がん診療セミナー

令和2年12月3日(木)17:30〜 


 『第43回東近江がん診療セミナー』は、第1部はがん専門薬剤師による「疼痛評価」、第2部は「在宅看取り」について取り上げました。
 第1部では、がん患者さんの疼痛評価について、国立病院機構兵庫中央病院のがん専門薬剤師の古川順章先生から疼痛評価の基礎知識やがん性疼痛アセスメント等について、ご講演いただきました。「今の薬の量では痛いようだ。どうしたらよいか?」といったがんの終末期に現れる症状に対して、⑴どこがどれくらい痛い?⑵どのような痛み?⑶いつどのようなときに痛い?⑷眠気など副作用は現れていない?といった情報があれば疼痛はほぼ解決できるとして、そのひとつひとつの見極め方についてレクチャーいただきました。
 第2部では、「がんターミナル期患者の在宅看取り事例を振り返って」の症例発表がありました。がんターミナル期患者さんが在宅支援に関わる中で、在宅へ移行するタイミングの難しさや地域との情報共有の大切さを学んだ事例として、担当された地域の開業医さんや訪問看護ステーションの看護師さんも交えて、事例を振り返りながらディスカションが行われました。
 きらめきホールとZoomのハイブリッド開催も、コロナ禍における新しいセミナーの形として定着してきました。これまでも地域に開かれたセミナーを目指して、院外の方にもご参加いただいておりましたが、会場にわざわざお越しいただかなくてもリモートで簡単に繋がれるようになり、今後もこのセミナーが地域との意見交換の場として活用していただければと思います。
 
 次回第44回のがんセミナーは、来年1月20日(水)18:00〜『地域を支える滋賀がん診療勉強会』との共催、テーマ:血栓症、第45回は2月4日(木)17:30〜 テーマ:チーム医療で開催します。
★第44回はWebのみ、第45回は会場とZoomとの併用で開催。参加ご希望の方は、東近江総合医療センター地域医療連携室(E-mail:402-chikirenkei@mail.hosp.go.jp)までメールをお願いします。

熊取谷副看護部長・川瀬師長

座長

打越智子師長

症例発表

会場の様子

きらめきホール

第42回東近江がん診療セミナー

令和2年11月5日(木)17:30〜 


 『第42回東近江がん診療セミナー』も前回に引き続き、きらめきホールとZoomによるハイブリッド形式で開催いたしました。
 今回のテーマは”ターミナル期の口腔ケア”とし、第1部特別講演では当院歯科口腔外科医師の三宅真規子先生より「口腔ケア概論」、「注意すべき所見」、「ケア時のポイント」についてお話頂きました。
 ターミナル期の患者さんは、全身状態が悪く、セルフケアが困難な状況から口腔トラブルが起きやすく、身体的な苦痛に注意やケアが集まることから口腔トラブルへの対応が後手にまわりやすい現状があります。誤嚥性肺炎の予防や口腔機能の維持といった口腔ケアの目的を再認識してもらうとともに、口腔乾燥や口腔カンジダ症の原因と対策、また「口が開かない」「姿勢がつらい」「汚れがとれない」といったケア中の悩みについても、具体的な対処方法が紹介されました。また、口腔ケアにご家族に介入いただくようにすると、ご家族は介護の充実感が得られるばかりでなく、患者さん本人にとっても「食べる」「話す」が継続できることで”生きる”ことを実感できるといい、日々の継続的なケアに目を向けてほしいと訴えられました。
 第2部では、当院の森看護師より『がん終末期患者様への口腔ケア』のタイトルで、病棟全体で取り組んでいる口腔ケアと、症例を通して実感した口腔ケアの重要性について発表して頂きました。発表の中で「私たちが普段の生活の中で当たり前にしているケア(口腔ケア、髭剃り、整髪など)を、終末期でも当たり前のように提供する」、「コロナ禍で面会時間が制限される中、口腔ケアは普段のご本人様に近い姿でご家族と会って頂くために不可欠なケア」という言葉には、経験を通して生まれた重みと清々しさを感じました。
 
 次回のがんセミナーは、12月3日(木)17:30〜 テーマ:疼痛評価
★会場とZoomとの併用で開催。参加ご希望の方は、東近江総合医療センター地域医療連携室(E-mail:402-chikirenkei@mail.hosp.go.jp)までメールをお願いします。

目片副院長

総合司会

三宅真規子先生

特別講演

堤 泰彦医長

特別講演座長

森 茜音看護師

症例発表

 吉田麻未師長

症例発表座長

第41回東近江がん診療セミナー

令和2年10月1日(木)17:30〜 


 前回に引き続き『第41回東近江がん診療セミナー』もメインのきらめきホール会場とZoomを利用したオンラインによるハイブリッド形式で開催いたしました。
 第1部特別講演の講師は日野記念病院緩和ケア認定看護師の西岡摩矢さんによる『新型コロナウイルス流行を迎えた中での意思決定支援』。2020年春以降、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、患者さんやご家族へのケアに制限を余儀なくされる中、ターミナル期を迎えた患者さん、ご家族の意思をいかに尊重しながら最期を迎えるか、看取りまでの経過を辿りながら、ケアのあり方について考えさせられる講演でした。座長の坂野先生からの「コロナで面会が制限される中、どういった形で患者さんや家族さんと関わればよいのか」という問いに対し、リモートで参加いただいた滋賀医大の田崎看護師や、永源寺診療所の花戸先生を交えてディスカッションが行われました。
 第2部では、当院薬剤部主任の植田薬剤師より『外来がん治療支持療法についてー制吐剤ー』のタイトルで、がん化学療法による悪心・嘔吐の機序、抗がん剤の催吐性リスク分類、制吐剤開発の歴史のテーマで発表があった他、以前にも抗がん剤で嘔吐した経験を持つ患者さんが、軽度の催吐性リスクの抗がん剤投与目的で入院した症例から、退院後、外来化学療法へと移行する際に症状をコントロールするにはどうすればよいかを考えながら介入した事例が紹介されました。

 次回のがんセミナーは、11月5日(木)17:30〜 テーマ:がん患者さんの口腔ケア

★会場とZoomとの併用で開催。参加ご希望の方は、東近江総合医療センター地域医療連携室(E-mail:402-chikirenkei@mail.hosp.go.jp)までメールをお願いします。

西岡看護師長代行

特別講演

植田薬剤主任

症例紹介

きらめきホール

会場の様子

参加者

Zoom画面より

第40回東近江がん診療セミナー

令和2年9月3日(木)17:30〜 


 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、昨年3月より開催を中断していた『第40回東近江がん診療セミナー』を半年ぶりに開催いたしました。メインのきらめきホール会場とZoomを利用したオンラインによるハイブリッドで、三密を避け感染対策にも配慮しました。
 第1部特別講演の講師は滋賀医科大学医学部附属病院のがん看護専門看護師の木村由梨さん。『がん患者の意思決定支援ー看護師の立場からー』の演題で、医大から画面越しでご講演いただきました。講演では、自覚症状やがん検診などをきっかけに受診した患者さんが診断・告知を経て、治療内容を決定していく中で直面することの多い意思決定場面と意思決定に影響する具体的因子を挙げながら、患者さんの思いに看護師として、どう関わっていくのかをお話いただきました。意思決定のプロセスを共有することで、患者さんにとっては”一緒に考えてくれる人がいる安心感”が信頼へとつながり、医療者にとっては患者さんの価値感を知ることで次の行動につながる対処方法が見つけられるという。「患者の意向は、患者に聞かなければ分からない」当たり前の話ですが、当たり前のコミュニケーションが難しい今、対話から生まれる安心・信頼の大切さを改めて感じました。
 第2部では、患者さんの自己決定支援に関わった当院の症例を紹介していただきました。患者さん本人やご家族の気持ちを伺いつつ、不安や互いへの遠慮もあり、その奥にある本当の思いを叶えるために、どのように関わっていけばよいのか、発表後、Zoomでご参加いただいた永源寺診療所の花戸先生を交えて、みんなでディスカッションをしました。

 次回のがんセミナーは、10月1日(木)17:30〜 テーマ:制吐剤

★Zoomとの併用で開催。参加ご希望の方は、東近江総合医療センター地域医療連携室(E-mail:402-chikirenkei@mail.hosp.go.jp)までメールをお願いします。

目片副院長

総合司会

木村由梨先生

特別講演

赤堀浩也医長

特別講演座長

岩井祐樹副師長

症例発表

 川瀬正裕師長

症例発表座長