滋賀医科大学 医学部附属病院 薬剤部

滋賀医科大学 医学部医学科 薬物治療学講座

Department of Pharmacy, Shiga University of Medical Science Hospital
Department of Pharmacotherapeutics, Shiga University of Medical Science

患者さんと他の医療者から信頼され、薬物療法に貢献できる薬剤師を目指します。

HOME | 資格認定

資格認定

(本務先が他施設の者を除く)

薬剤師:44名
日本医療薬学会 医療薬学指導薬剤師:3名
日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師:12名
日本医療薬学会 がん指導薬剤師:3名
日本医療薬学会 がん専門薬剤師:5名
日本医療薬学会 薬物療法専門薬剤師:2名
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師:16名
日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師:1名
日本病院薬剤師会 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師:1名
日本病院薬剤師会 災害登録派遣薬剤師:1名
薬学教育協議会 認定実務実習指導薬剤師:13名
日本小児薬理学会/日本薬剤師研修センター 小児薬物療法認定薬剤師:3名
日本薬剤師研修センター 漢方薬・生薬認定薬剤師:2名
情報処理推進機構 応用情報技術者:1名
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師:1名
日本腎臓病薬物療法学会 腎臓病薬物療法専門薬剤師:1名
日本腎臓病薬物療法学会 腎臓病薬物療法認定薬剤師:1名
管理栄養士:1名
日本栄養治療学会 NST専門療法士:4名
日本栄養治療学会 栄養治療専門療法士:1名
日本病態栄養学会 病態栄養専門管理栄養士:1名
日本麻酔科学会 周術期管理チーム薬剤師:3名
日本糖尿病療養指導士認定機構 日本糖尿病療養指導士:3名
日本高血圧学会 循環器病予防療養指導士:2名
日本循環器学会 心不全療養指導士:2名
日本がん・生殖医療学会 認定がん・生殖医療ナビゲーター:1名
日本アンチ・ドーピング機構 スポーツファーマシスト:1名
日本DMAT 日本DMAT隊員:1名
大学病院災害管理技能者(UDME):1名
アロマテラピー検定1級:1名
日本臨床救急医学会 救急認定薬剤師:1名
妊娠と薬情報研究会 認定Expert:2名
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師:1名
日本救急医学会 ICLSインストラクター:1名

施設認定

日本医療薬学会 認定薬剤師研修施設
日本医療薬学会 がん専門薬剤師研修施設
日本医療薬学会 薬物療法専門薬剤師研修施設
日本医療薬学会 地域薬学ケア専門薬剤師研修施設 (基幹施設)
日本病院薬剤師会 がん専門薬剤師研修施設
日本薬剤師研修センター 厚生労働省薬剤師養成事業における実務研修生受入施設
薬学教育協議会 薬学実務実習受入施設

認定専門薬剤師からのメッセージ

感染制御認定薬剤師

感染制御チームの一員として活動しています。当院の感染制御チームは、医師、看護師、細菌検査技師、薬剤師、事務で構成され、感染症治療のカンファレンスや院内感染対策のための院内ラウンド等を行っています。抗微生物薬は、感染症治療に欠かすことのできないものです。しかし近年、不適正な抗微生物薬の使用による薬剤耐性菌とそれに伴う感染症の増加が大きな課題になってきています。この課題をふまえて、必要な患者さんに、適切な抗微生物薬を、適切な投与方法で使用されるよう、多職種で取り組んでいます。さらに、地域連携や大学病院間の連携により、自施設の活動を見直す機会もあります。高い専門性をもつ他職種スタッフや、県内や全国の感染に関わる薬剤師の先生方に刺激をもらえますし、悩んだときには先輩後輩薬剤師に相談できるすばらしい環境です。患者さんのより効果的で安全な感染症診療をサポートできるように、そして社会全体の課題である耐性菌への対策に少しでも貢献できるように、責任とやりがいを感じて業務を行っています。

がん専門薬剤師

近年、がん医療の多様化・高度化に伴い、がん薬物療法に携わる薬剤師は、薬学的専門知識や技能を持ち合わせる必要性が高まっています。当院では、がん薬物療法に精通している薬剤師が多数在籍しているおり、抗がん剤のミキシング、レジメン管理といった基本的な業務を修得することは勿論のこと、早い段階から、がん患者さんへの服薬指導やチーム医療に参画することが出来ます。また当院はがん専門薬剤師研修施設ですので、将来的に専門資格を取得することも可能です。さらに大学病院ですので、多数の学部実習生や卒前・卒後研修生を受け入れていることから、人事交流が盛んなことも魅力のひとつです。研究面では、臨床データの解析や基礎的実験からがん薬物療法に関わるエビデンスを立証し、論文投稿や学会発表を支援する体制も整っています。このように、当院はがん薬物療法を学ぶのに最適な環境ですので、チャレンジ精神旺盛な皆様の就職、進学を是非ともお待ちしています。

NST専門療法士

「あなたのカラダは、あなたの食べたものでできている」という言葉があります。 人間の体は自分が摂取した栄養素で構成され、必要な栄養素を過不足なく摂取することが、病気からの回復力や免疫能を高め、治療効果を最大限に発揮する原動力になります。栄養は、「何でもいいからとれば良い」ではなく、「何をどれぐらい摂取したか」も重要です。近年、全ての治療の根幹に栄養が深く関わっていることが広く認識され、多くの病院で栄養サポートチーム(NST)が設立されています。患者さんの病態は極めて多様であり、個々の患者さんに最もふさわしい栄養管理を行うのは容易ではありません。各職種が専門的な知識や経験を共有し、NSTとして方針を決定していく中で、薬剤師も専門性を生かし、患者さんの栄養改善に取り組んでいます。当院のNSTでは、静脈栄養輸液の処方設計や消化器症状に対する支持療法の提案などを通じて、薬剤師が積極的に栄養管理に関わる場面が多く、幅広い知識やチーム医療の考え方を学ぶことができます。

薬物療法専門薬剤師

病院薬剤師、特に若手が、一診療科のみに薬剤管理指導に出向いたり、一つの領域のみのチーム医療に関わっている割合は少ないであろう。従来の専門薬剤師でなく、そういった幅広い領域をフィールドとした専門薬剤師のための制度が、平成24年に「薬物療法専門薬剤師認定制度」として発足した。資格取得のために、論文提出、症例報告、試験等が必要であり、難しいと感じるかもしれないが、日々の業務、経験を積み重ねていけば、資格条件を得ることができる。病棟活動・チーム医療において、常に問題点は何か、薬学的介入の根拠は何か、介入のメリット・デメリットは何かを考え、日々研鑽し、さらに経験した症例を明文化しておくことが重要である。資格取得がモチベーションの維持や自己満足のみに終わらないためには、取得までの過程と取得後の臨床業務への還元が大切である。薬物療法専門薬剤師を取って、患者さんに最大のメリットをもたらす薬剤師を目指そう。

日本糖尿病療養指導士

日本糖尿病療養指導士(CDEJ)とは、糖尿病とその療養指導全般に関する正しい知識を持ち、患者さんに療養指導を行うことのできる熟練した経験を有し、かつ試験に合格したメディカルスタッフのことをいいます。増加し続ける糖尿病患者さんに対し、糖尿病専門医だけで診療することは困難な状況であるため、CDEJは、患者さんに正確な知識・技術を身につけていただくことや、療養継続のモチベーションを維持してもらえることを目標に活動しています。当院では糖尿病教室を開催しており、医師・看護師・管理栄養士・理学療法士・歯科衛生士等とともにコミュニケーションを取りながらチーム医療に積極的に参加しています。各職種が自己の領域だけで適切な療養指導を行うことが困難である分野をチームでカバーし、連携をとって患者さんへの指導を行っています。 また、滋賀県で行っている糖尿病地域連携推進事業の一環として、患者さん向けの糖尿病メールマガジンの配信や、医師・医療保健関係者向けのe-learningの作成等にも参加しており、幅広い活動を行っています。

小児薬物療法認定薬剤師

「小児は大人のサイズダウンではない」小児薬物療法行う上でよく聞く言葉です。小児は成人に比べて腎機能や肝機能が未発達で、急速な成長過程にあります。そのため、必要な投与量や投与計画は一人一人違っています。さらに約70%の薬剤が小児への適応がありません。私たち薬剤師は薬の専門家として、より安全で最適な薬物療法を提供できるように医師をサポートしています。また、薬嫌いな子供たちのために飲み方を工夫したり、保護者へ服薬指導を行うなど、薬の特性を理解している薬剤師だからこそできることがあります。いくら子供であってもわかりやすい言葉で丁寧に説明をすれば、理解してアドヒアランスを向上させることができます。薬のことなら薬剤師さん!と病棟で医師や看護師から相談を受けたり、保護者やこども達の笑顔が何よりのやり甲斐です。

漢方薬・生薬認定薬剤師

私は現在母子・女性診療科担当薬剤師として病棟業務にあたっています。漢方薬の院内採用品目は当院では10品目と少ないながら、当科での漢方薬の処方率は高く、以前から系統立ててもう一度学びたいという思いがありました。学生時代に生薬学を学んでからずいぶんと経ちますが、漢方薬の勉強会には積極的に参加していました。そして日本薬剤師研修センターの主催する漢方薬・生薬認定薬剤師研修会を受講することにしたのです。1年かけて幅広く漢方薬について勉強できました。漢方薬は奥の深い味わいのある薬剤です。オーダーメード医療にも通ずる概念もあり、今後ますます漢方薬の需要は増えてくることと思います。私たち薬剤師ももっと漢方薬について勉強していく必要があると思います。漢方薬の相談を受けられる薬剤師を目指して日々勉強していきましょう。

腎臓病薬物療法専門薬剤師

「この患者さん腎機能が低下しているけど、この薬は常用量でいいのかな?」このような疑問に対して腎臓病薬物療法専門薬剤師は、その薬剤が腎排泄型か、あるいは腎障害を引き起こす薬剤であるかを判断し、慢性腎臓病(CKD)患者さんのそれぞれの腎機能に応じた処方提案を行います。CKDや透析だけではなく、急性腎障害や腎臓が未発達の未熟児、CKD患者の大半を占める高齢者などに対しても、幅広い腎臓に関わる薬物適正使用の実践を推進し、患者のアドヒアランス向上や有効かつ安全な薬物療法を提供します。 CKDシールをCKD患者のお薬手帳に貼付し,医師・薬剤師間で腎機能情報の共有を図る薬手帳を活用した医薬・薬薬連携や、NSAIDs、RAS阻害薬、利尿薬の3剤併用によるAKI予防キャンペーンなどにおいて、腎臓病薬物療法専門薬剤師が滋賀県で中心となって活動し、CKD患者の安全な薬物療法に貢献しています。

緩和薬物療法認定薬剤師

緩和ケアとは、重い病を抱える患者さんやその家族一人一人の身体や心などの様々なつらさをやわらげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアです。薬剤師も緩和ケアチームの一員として、薬物療法を通じて患者さんを痛みなどの身体の辛さや心の辛さから解放するための役割を担っています。特に疼痛に使用される医療用麻薬については不安や誤解を取り除き、副作用を避けるための対策を取り、鎮痛薬がいつも効いている状態を保てるように、処方設計・提案や医薬品情報の提供などを積極的に行っています。緩和ケアはチーム医療が不可欠です。薬剤師も毎日患者さんのところに回診し、医師や看護師はもちろんのことソーシャルワーカー、理学療法士、作業療法士、栄養士など多職種と情報共有しながら業務を行っています。そのため薬学的視点だけでなく、多角的な視点で患者さんについて考えることができるのも緩和ケアに関わらせてもらっている者の醍醐味と思います。患者さんが苦痛から解放してもらえるように、ぜひ一緒に緩和ケアに携わってもらえたらと思います。

妊婦授乳婦薬物療法認定薬剤師

妊娠中・授乳中は、赤ちゃんへの影響を考慮して薬を使ってはいけないと考えていませんか?薬の中には、妊娠中の服用や授乳中の服用で胎児や哺乳している赤ちゃんに影響があるものもありますが、そのリスクの程度は薬剤ごとに異なり、さらに妊娠時期(週数)や児の未熟性など様々な要因によっても変わります。実際に妊婦・授乳婦への薬剤投与の可否を考える上では、疫学研究などの根拠を基にリスク・ベネフィットを考えることが不可欠で、現在の医薬品添付文書の情報のみでは判断できないケースが多くあります。妊婦・授乳婦薬物療法に携わる薬剤師は、研修等を通して妊婦・授乳婦への薬剤投与に関する情報の収集と解釈、不安を抱える患者さんへの対応に関するカウンセリングスキルを身につけています。妊娠しているとは気づかずに、薬を服用した妊婦さんや、併存疾患を持ちながら妊娠・出産を希望する女性、授乳中の薬剤使用に関して不安に思う患者さん等に、科学的に根拠のある情報を提供し、ご本人の想いや価値観にも配慮して患者さんやご家族が納得して意思決定できるよう支援する役割を担っています。当院には妊娠と薬外来が開設されており、妊娠中の薬物療法に関する専門の研修を受けた薬剤師が対応しています。

周術期管理チーム認定薬剤師

「治療の高度化・専門性・多様性を担う医療スタッフの質的・量的な不足を補い、より安全で安心な医療の提供」を目指すための周術期管理チーム発足に伴い、2014年より看護師の認定制度が開始され、2017年より薬剤師の認定制度も始まりました。術前に服用している薬剤・サプリメントなどの中止・継続の必要性や術中に使用する薬剤の選択、術後疼痛管理の薬剤調製・用量調節、服用していた薬剤の再開など、周術期の各段階で薬剤の変更・新規投与が多く存在します。また、術中に使用する薬剤には管理を必要とするものが多く、薬剤師による薬学的管理をはじめ様々な支援を行っています。当院では、「入院前支援・術前・周術期外来」と「手術室」に薬剤師が常駐しおり、前者では術前の薬剤鑑別、後者では術中に使用する薬剤の一元管理を行うと共に、各医療スタッフに情報提供を行い、安全に手術に臨めるよう薬剤師が活躍しています。

スポーツファーマシスト

スポーツファーマシストは、最新のドーピング防止規則に関する正確な情報・知識を持ち、競技者を含めたスポーツ愛好家などに対し、薬の正しい使い方の指導、薬に関する健康教育などの普及・啓発を行い、スポーツにおけるドーピングを防止することを主な活動とします。一口にドーピングと言っても、大きく2つに分けられ、禁止薬物と知っていながら確信犯的に使用するパターンと、禁止薬物と知らずに摂取してしまうパターンがあります。日本においては、後者のケースがほとんどです。しかし、不注意とはいえ、禁止薬物を使用してしまえば、その人の競技生命を左右し、努力が水の泡になってしまいます。私は大学院で体育を専攻しており、競技者が人並みならぬ努力をされている姿に触れました。薬剤師の専門的な知識を生かして、薬の正確な情報・知識の提供や教育、薬物治療を必要とする競技者に対して使用可能な薬剤の提案を行い、微力ながら支援していきたいと思っています。

医療情報技師

医療情報技師とは、「保健医療福祉専門職の一員として、医療の特質をふまえ、最適な情報処理技術にもとづき、医療情報を安全かつ有効に活用・提供することができる知識・技術および資質を有する者」と定義されています。情報システムの発展は著しく、医療の世界においてもそれは例外ではありません。国をあげて医療ICT(Information Communication Technology)の利活用を推進する中、電子カルテをはじめとした医療情報システムは大きな進歩を遂げており、いまや必要不可欠な存在となっています。近年では、薬の用法用量や相互作用、禁忌情報を自動でチェックするシステムも開発されており、私たち薬剤師は薬の専門家として、より安全で最適な薬物療法を患者さんに提供できるよう、これら技術を活用していく必要があります。AIをはじめとして、これからますます発展する医療ICTを頼れる味方にして、より良い医療の提供を行っていきたいと思います。