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たことも 年から1年に

退院の時は 「治

して良かった」 とい

けれども、 ご両親にと

期的に治療や検査が続くた

の生活も不安は大きいはずで

医療者がそれなりに配慮している

もりでも、

「相談しようにもできな

た」 といった家族からの声もあるように

率直に質問をぶつけたくても躊躇して

しまうところもあるようでした。 そのた

め、 入院中、 退院後、 いずれも変わらず

に、 患者さん ご家族への支援を、 より

具体的なケアとして考えていかなくて

はならないことが明らかになりました。

求められる支援とは?

患者支援コーディネーターの設置を目指して

小児がんで入院することは病気の辛

さだけでなく、 治療の苦痛も大きいの

で、 小さな子どもを一人で入院させら

れない、 やはり親としては付き添ってあ

げたいと思うのは自然なことです。 病

気になった子どもが一番何をしてほし

いかと考える 、

「親に一緒にいてほし

いのではないでしょうか」 と桑田教授。

とはいえ、 付き添って てもお母さん

にできること 限られています。 ずっと

付き添っていたらストレスもたまるので、

その時は日常生活援助をする看護師

が、 ストレスを解消するためにはどうし

たらいい

たまには子ど

たいけれど、 子

ら任せられない、 お

考えることが負担にな

考えられます。

最終的には患者である子ども

て、 何が良いのかということにな

親の負担がその子にとって悪い環境

なるのなら、 親の負担を減らすような

支援を考え いかなくてはなりません。

そして、 退院後の再発の不安に対し

ては、 いつでも相談できるように、 こち

らからも関わりを充実させて、 コミュ ニ

ケーションを保つことが大切です。

本学では退院後、 定期的に受診され

る外来が相談窓口になっているほか、 病

棟にもいつでも連絡できるようになって

います。 看護師が生活支援をし いま

すが、 治療や看護に直接的に携わる立

場でな 患者支援コーディネーターが

いたら、 忙しい医師や看護師にこんな

ことは言え という悩みでも、 ご家族

は話しやすくなるのではないかと考え

ています。

インタビューの中では 「スタッフのみ

なさんによくしていただいた」 と言われ

る方がほとんどだったのですが、 具体的

に対処してもらえたということも含め、

気持ちを受け止め もらえたとか、 話

をわかってもらえたという経験が大き

く影響したと考えられます。

役所の手

たびたび役所

ないことも多い

ビスでそ に相談し

できるようにすれば、

減できます。 また、 小児が

少なく、 相談支援のノウハウ

にくいことが課題となっています

児がん患者支援検討会等で情報共有

し、 保健所や医療者からの相談にも対

応していくことが期待できます。

今後の展望

患児と家族を支える支援体制の構築に向けて

「退院時に困ったことがあればいつ

も病棟に電話をするよう伝えています

が、 ご家族からすれば、 だれに相談すれ

ばいいかわからないことが多いかもし

れません。 まず、 患者支援コーディネー

ターに連絡すれば、 各専門部署に振り

分けてもらえるようになれば相談しや

すくなるのではないでしょうか」 と、 多

賀准教授はコ ディネーターの果たす

役割に期待を寄せます。

今回の調査の結果について、

「入院中

も困られることが多いということが明

確になっ て、 入院中にも退院後にも支援

が必要なんだということがわかった。 な

んとなくそうではないかと思っていたこ

とを掘り下げることができました」 と

看護部の木村さん。

「お父さんからも話をうか う機会

があり、 お母さんをし

とや、 祖父母も

活を送られているこ

体を見るという視点

めてわかりました」 と白坂

桑田教授は 「改めて入院中も

んなんだということがよくわかり

な気付きになりました。 看護師は療

生活支援のプロ して患者さんやご家

族に接しているつも ですが、 こまかい

ところまで十分に配慮できるように、 そ

れをインタビューで話していただけたこ

とに感謝しています」 と、 快く協力して

くださったご家族に改めて謝意を表わ

しました。

小児がん患者と家族への支援につい

て、 生活を含めたトータルサポートに関

する研究はまだ少ないのが現状です。

今回の調査をベースに、 今年は体験

集とQ&A形式のアドバイス集を作る

ことになっています。 ご家族は入院中

も退院後もさまざまな工夫を行って頑

張って られましたが、 その工夫等を皆

で共有し役立てられるよう提示してい

きたいと思います。

今後、 将来的に患者支援コーディ

ネーターを設置することをはじめ、 調

査結果が良いかたちで活かされること

で、 一人ひとりの子どもとご家族を大

切にしていける支援体制が築けるので

はないでしょうか。

SHIGA IDAI NEWS vol.28

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