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SETA DAYORI No. 108

15

Campus life

 | キャンパスライフ

 Memory Clinicと呼ばれるもの忘れ外来では、も

の忘れが心配な人やその家族を対象に認知症の検査を

行っていたのですが、医師のみならず看護師、心理士、

ソーシャルワーカー、作業療法士などたくさんの専門

家が検査や診断、告知やケアに関わっていました。デ

ィスカッションで平等に発言していたり、心理士の一

部はCT/MRIの解読ができたりと、日本と比べてメデ

ィカルスタッフの立場が強い印象を受けました。

また、大学病院であるにもかかわらず、教授自ら認

知症患者の在宅訪問を行っていました。同席させてい

ただいたところ、医師が患者さんの薬の管理をするだ

けでなく、介護者を労わり非薬物的なケアについての

アドバイス(夜に寝付かない患者さんに対しては、出

身国の音楽を聴かせるなど)をする姿を垣間見ること

ができました。

■息抜き

オーストラリアの 8 月は冬なのですが、冬とは思え

ない暖かさで、日によっては半袖半ズボンで歩いてい

る人を見かけました。私は自然や動物が大好きなので、

16時に研修が終わり次第、ビーチを散策したり、公園

や動物園に足を運びました。コアラやカンガルーと思

う存分たわむれることができ、最終的には 2 週間に 4

つの動物園を制覇しました。

また、私は滋賀医大の卓球部に所属しているのです

が、研修先の大学の卓球部の練習に突撃しました。練

習メニューがなかったり、好きなタイミングで休憩で

きたりと、カルチャーショックを受けつつも自由な雰

囲気を楽しみ、新しい仲間をつくることができました。

■みなさんに伝えたいこと

医学部では必修の授業が朝から晩まであり、周りの

みんなと同じ時間を過ごし、また試験前には膨大な知

識を頭に詰め込まざるを得ません。私は、そんな日々

の中で知らないうちに視野が狭まり「自分がどういう

人間になりたいのか、どういう医師になりたいのか」

という原点を見失うことがありました。

私にとって海外自主研修は、それをリセットし自分

の原点を見つめ直すいい機会になりました。違う環境

に飛び込み、違う価値観をもった人たちと接すること

こそ、医学生に大事なことかもしれないと気づくこと

ができました。海外自主研修に限らず、後輩のみなさ

んにも、そういった自分のcomfort zoneから出るこ

とをおすすめしたいです。私もその姿勢を忘れずに残

りの学生生活を過ごしたいと思います。

研修先の大学の卓球部の練習

Memory Clinicのチームミーティング

動物園

シドニーで有名なBondi Beach