SETA DAYORI No. 108
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New teacher introduction
| 新任教員紹介
2017年10月 1 日付で、内科学講座(血液内科)准教
授を拝命いたしました木藤克之です。私は医学部 6 期
生として1980年に滋賀医科大学に入学しました。出身
は善光寺で知られる長野県です。
学生時代は、高校から続けていた空手部が当時なか
ったため、合気道や少林寺拳法の有段者の友人たちと
一緒に道場で練習をしていました。しかし、それぞれ
の武道の組手の違いから、徐々に練習回数が減ってい
き、第 1 学年の後半からは、もっぱらアルバイトや麻
雀に明け暮れる日々となりました。正直、授業の出席
率はとても悪かったと反省しています。
卒業後、当時の第二内科(現 消化器・血液内科)
に入局しました。医師になって最初に担当した患者さ
んが急性白血病の症例で、その診療経験から何として
も血液悪性疾患を治したいと思い、血液内科を専門に
することを決めました。大学での研修ならびに公立甲
賀病院での 2 年間の勤務の後に滋賀医科大学大学院に
進学しました。当時はまだ血液学を目指して滋賀医大
の大学院に入学した者はほとんどいない状況で、現在
の消化器内科教授である安藤先生や中央診療部門病理
部の元教授である岡部先生のご指導のもと、血小板を
産生する骨髄巨核球系細胞の研究を重ねて博士号を取
得させていただきました。大学院生でありながら、病
棟主治医も兼任していましたので、日中はほとんど病
棟で臨床をして、実験室にもどるのは夜の 9 時以降で
あるという日々が続きました。しかし、その時に学ん
だ研究に対する視野が、現在の臨床の場での様々な事
象を解読する原動力となっています。
今、滋賀医大血液内科では患者さんを中心としたチ
ーム医療を実践しています。そのきっかけとなったの
が大学院卒業後に赴任していた彦根市立病院院長(当
時 林進先生)の勧めで米国ミシガン大学骨髄移植セ
ンターに短期臨床研修に行かせていただいた経験です。
ミシガン大学の医師たちの臨床スタイルは見事に一人
の患者をすべての医療スタッフが情報共有しながら支
えているという、チーム医療でした。以来、私が働い
てきたいくつかの病院では必ずチーム医療を実践する
ようにしてきました。
教育については、2008年から2014年まで海外自主研
修;ケニア共和国におけるHIV/エイズの学生の臨床
研修に同行し、学生諸君とともに国際保健について学
んできました。この経験は医学部・看護学部の授業の
みならず、医師会や学会での講演を通して、多くの医
療関係者にエイズというものを啓発することに繋がっ
ていると自負しています。同時に同国のナイロビ大学、
ケニア中央研究所と本学の学術交流に貢献できたこと
は大きな喜びでした。
今、私に与えられた最大のテーマは、滋賀医科大学
の血液内科を日本、さらに世界に誇れる教室にしてい
くための人材教育を続けていくことだと思っています。
臨床、教育そして研究を益々発展させていきます。こ
れからも宜しくお願い申し上げます。
内科学講座(血液内科)
准教授
木藤 克之
経
歴
2016年 8 月 滋賀医科大学 血液内科 病院教授・診療科長
2017年 10月 滋賀医科大学 内科学講座(血液内科)准教授・病院教授
血液内科 診療科長
1986年 3 月 滋賀医科大学医学部卒業
1986年 4 月 滋賀医科大学 第二内科 研修医
1988年 4 月 公立甲賀病院 内科医員
1990年 4 月 滋賀医科大学大学院
1994年 4 月 彦根市立病院 血液内科
在職中に彦根市よりの派遣で米国ミシガン大学骨髄移
植センターに短期臨床研修
2004年 4 月 滋賀医科大学 血液内科 助手
2010年 4 月 滋賀医科大学 血液内科 学内講師
2012年 7 月 長浜赤十字病院 血液内科 部長
2015年 4 月 滋賀医科大学 血液内科 講師・診療科長