当科では、診療科長以下、スタッフ・医員が一丸となって消化器疾患の臨床に携わり、病病連携、病診連携を推し進めながら、一般消化器診療から専門分野に至るまで、紹介受診された日に診断を確定し、治療方針を定めてご報告することをモットーに、日々の診療を行っております。地域医療に携わる皆様のご協力により、紹介率も40%を超えるに至っています。
〈炎症性腸疾患センター〉
当科の特徴として、まず潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患(IBD)診療があります。本院はIBDの滋賀県の難病医療拠点病院であり、2005年には栄養治療部・消化器外科等関連診療科・部と集約的に連携して「炎症性腸疾患(IBD)センター」を創設し、滋賀県のIBD診療の拠点としての役割を果たすとともに、その体制のさらなる充実を図ってきています。
外来では月曜から金曜までの午後にIBD外来を開設し、常に専門医が紹介・セカンドオピニオンへの対応ができる体制を敷いています。また、厚労省難治性疾患克服研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する研究班」に属し、診療ガイドラインの策定、新たな治療法の開発、病因・病態解明に取り組むとともに、臨床治験を積極的に受け入れて実施しています。
〈消化管内視鏡診療〉
消化器診療で大きな部分を占める消化管内視鏡診療(検査・治療)の件数は年々増加の一途を辿っており、現在、年間約7,000件の内視鏡を用いた診断・治療を光学医療診療部において行っています。特に、早期消化管癌に対する内視鏡治療を積極的に推進しています。早期食道癌や早期胃癌(腺腫を含む)に対する内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)をこれまでに多数(平成20年度;胃癌142例、食道癌24例)実施しており、安全かつ良好な治療成績を積み上げてきています。このような実績をもとに、より低侵襲な消化管癌治療の実践と開発を目指して、消化器外科・放射線部との集学的診療体制を構築しています。
〈消化器癌集学的治療〉
肝癌に対しても消化器外科や放射線部と一体となって個々の症例を検討しながら、手術、血管造影下肝動脈塞栓術(TAE)・塞栓化学療法(TAI)や超音波・CTガイド下ラジオ波焼灼術あるいはMRI下マイクロウエーブ焼灼術など最適の治療を選択するようにしています。手術不能な消化器進行癌に対しても癌化学療法を初めとする集学的治療に取り組んでおり、腫瘍センター・化学療法部の協力のもとにQOL向上を目指した治療を行っています。
〈血液浄化療法〉
重症急性膵炎あるいは劇症肝炎などの急性肝不全に対しては、「集中治療部」と連携してPDF、HDF(血液透析濾過)、PE(血漿交換)などの血液浄化療法を駆使した診療を行うことにより、救命実績を積み上げてきています。
〈栄養療法・NST〉
さらに、原疾患の治療にとどまることなく、「栄養治療部」と連携して間接熱量測定法やインピーダンス法を駆使した栄養評価に基づいた適切な栄養療法を実践しています。