消化器外科

診療・業務内容

 消化器外科は上部消化管、下部消化管、肝胆膵外科の3部門からなっています。一部の疾患については一般外科と共同で診療をおこなっています。
  • 上部消化管部門:食道、胃、十二指腸、脾臓の疾患を担当しています。
  • 下部消化管部門:小腸、大腸、腹膜炎及び肛門疾患、炎症性腸疾患を担当しています。
  • 肝胆膵外科部門:肝臓、脾臓(門脈圧亢進症)、胆道、膵臓の疾患に対する外科的治療を行っています。
 診察は、月曜から金曜まで、外来担当医表のとおり毎日行っています。

 手術方針は、診療科検討会で決まり、さらに内科・放射線科および病理検査部の医師と合同の検討会をおこなっています。入院病床数は消化器外科、一般外科で50床あり、年間手術件数は約700例以上に及んでいます。
 
(主な検査・医療設備)
  • オープンMR装置:最先端の診断治療装置として、日本初の開放型MR装置が導入され、画像誘導下手術をはじめ、現在まで困難であった機能的な診断が可能になりました。消化管の動き、骨盤底の動きのほか、内分泌疾患の診断に利用しています。
  • 放射線部診断用3Tおよび1.5TMRIではdiffusion MRにてリンパ節転移の診断を行っています。 
  • 胆道検査:経皮経肝胆道造影やドレナージ術および胆道内視鏡検査を行っています。
  • 手術室では4画面のモニターを備えた内視鏡外科用手術室を整備しています。
  • その他:食道・肛門内圧検査、経動脈的な抗癌剤注入などを行っています。
 
(主な手術)
  • 食道疾患:食道癌の外科的切除は年間10数例をこえ、手術方法の改良と周術期管理の工夫により、治療成績の向上と合併症が減少しています。また、一部の早期食道癌には内視鏡的粘膜下切除術を行っています。切除不能な例に対しては、化学放射線治療やバイパス術、食道ステント挿入も行っています。その他、食道粘膜下腫瘍、突発性食道破裂、食道アカラシア、食道裂孔ヘルニアなどの手術を行っています。
  • 胃十二指腸疾患:胃癌の切除例は年間80例をこえ、そのうち約半数を占める早期胃癌や粘膜下腫瘍に対しては、腹腔鏡下切除術を行っています。進行例には術中腹腔内温熱化学療法を加え、極めて良好な治療成績を得ています。また、先進医療として、一部のサンプルから抗癌剤感受性試験を行い、患者さんに有効な薬剤を決めています。
  • 大腸・肛門疾患:初発結腸・直腸癌の切除例は年間80例に及び、約50%の症例は腹腔鏡下手術を行っています。下部直腸癌においては積極的に肛門機能を温存し、人工肛門を回避する手術を行っています。高度進行癌および再発症例に対しても可能な限り切除を行います。抗癌剤の使用は先進医療である抗癌剤感受性試験を参考に決定します。潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性疾患などの良性疾患の手術も腹腔鏡下手術を導入しています。
  • 肝、胆、膵疾患:当院は日本肝胆膵外科学会高度技能医修練施設に認定されており、肝胆膵領域においても特に専門性の高い高難度手術(肝葉切除、拡大肝切除、水頭十二指腸切除術、膵頭部切除術、血管合併切除を伴う肝・胆道・膵切除)をおこなっています。
  • 膵頭部領域癌:膵頭部癌、胆管癌、十二指腸乳頭部癌に対して胃を温存する幽門倫温存膵頭十二指腸切除術を、実施しています。
     その他、腹腔鏡補助下肝切除術、腹腔鏡下胆嚢摘出術、膵良性腫瘍低悪性精度腫瘍に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術、慢性膵炎に対する膵管空腸吻合術(Partington手術、Frey手術)、重症急性膵炎に対するドレナージ術などを行っています。
  • 小児疾患:鼠径ヘルニアに対して短期入院による手術を行っています。

専門分野・特に高度な領域

  • オープンMR装置による画像誘導下手術(IVMR):我が国初の開放型MR装置により、術中に治療効果の判定が可能になってきました。肝腫瘍、腹腔内腫瘍、骨盤内腫瘍に対して、ナビゲーション外科のひとつとしてIVMRを導入しています。
    小さい肝腫瘍に対しては、術中リアルタイムにMRIによる画像検査を行いながら正確な穿刺とマイクロ波による凝固療法を行う手術を行っています。これは、開腹での肝切除術に比べて低侵襲であり、肝細胞癌での5年生存率は他施設に比べ20%上回る成績となっています。
  • 内視鏡外科:当科では内視鏡外科手術を積極的に取り入れています。胆嚢摘出術(約60例)、胃切除術(約30例)、大腸切除術(約40例)、その他、脾臓摘出術(約10例)、小腸切除術(約5例)、腹腔鏡補助下肝切除術、膵良性腫瘍低悪性精度腫瘍に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術、イレウス解除術などの内視鏡外科手術を積極的に行っています。
  • 抗がん剤感受性試験を用いた効果的ながん化学療法を行っています。
  • 胃癌の腹膜再発を制御するために、術中の腹腔内温熱化学療法(HIPEC)を行っています。漿膜(T3)や他臓器(T4)にがん浸潤する症例において、HIPECを行ったところ、5年生存率はStageⅡが100%、StageⅢAが88.9%、StageⅢBが74.1%、StageⅣが28.9%と予後の飛躍的な向上を認めています。
  • 難治性腹膜偽粘液腫に対して腫瘍減量手術と腹腔内温熱化学療法の併用で根治を目指しています。
  • 下部直腸では、肛門括約筋温存手術である内肛門括約筋切除術・結腸肛門吻合により、極めて肛門に近い腫瘍についても自然肛門を残す手術が可能となっています。高度進行大腸癌、肝転移や再発症例については、感受性テストにより有効な薬剤を使った治療を行っています。
  • 肝胆膵外科では、日本肝胆膵外科学会高度技能医修練施設として、高度技能指導医が、以下の手術に携わっています。肝腫瘍に対する拡大肝葉切除、肝葉切除、胆道癌(胆管癌・胆嚢癌)に対する拡大肝葉切除、血管合併切除を伴う肝切除術、肝切除を伴う膵頭十二指腸切除術、膵癌に対する幽門倫温存膵頭十二指腸切除術、血管合併切除を伴う膵切除・膵頭十二指腸切除術・膵体尾部切除術を行っています。
  • 膵癌および胆道癌(胆管癌・胆嚢癌)に対しては手術の他に癌ペプチド療法も行っています。

お問い合わせ先

【外来】   TEL.077-548-2556
【医局】   TEL.077-548-2238 FAX.077-548-2240
【講座HP】 http://www.shiga-med.ac.jp/~hqsurge1/