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最新研究論文の紹介
2017年3月7日 更新
Shiraishi K, Okada Y, Takahashi A, Kamatani Y, Momozawa Y, Ashikawa K, Kunitoh H, Matsumoto S, Takano A, Shimizu K, Goto A, Tsuta K, Watanabe S, Ohe Y, Watanabe Y, Goto Y, Nokihara H, Furuta K, Yoshida A, Goto K, Hishida T, Tsuboi M, Tsuchihara K, Miyagi Y, Nakayama H, Yokose T, Tanaka K, Nagashima T, Ohtaki Y, Maeda D, Imai K, Minamiya Y, Sakamoto H, Saito A, ShimadaY, Sunami K, Saito M Inazawa J, Nakamura Y, Yoshida T, Yokota J, Matsuda F, Matsuo K, Daigo Y, Kubo M, Kohno T.
Association of variations in HLA class II and other loci with susceptibility to EGFR-mutated lung adenocarcinoma.

Nature Communications 2016;7:12451. Nature Communications 2016;7:12451. PMID: 27501781


日本人に多いEGFR変異を持つ肺腺がんの罹りやすさを決める遺伝子領域発見
―免疫を司るHLA遺伝子など6遺伝子領域が関与することを解明―

(オーダーメイド医療実現化プロジェクト(滋賀医大病院を含む12医療機関)試料を用いた研究)


 世界の肺がん死亡数は全がん死の約17%を占め最多であり、予後は不良である。その中でEGFR遺伝子変異陽性肺腺がんは日本人を含むアジア人に多い傾向がある。

 我々は、日本人の肺腺がん患者(EGFR変異陽性がん3,173例、EGFR変異陰性がん3,694例)とがんに罹患していない集団(15,158例)のサンプルを用いて高速大量タイピングシステムにより70万個の遺伝子多型(SNP)のゲノムワイド関連解析を行い、EGFR変異陽性の肺腺がんの発症に関わる6つの遺伝子領域を同定した。その一つである免疫応答の個人差の原因となるHLAクラスII遺伝子産物であるHLA-DPB1タンパク質の57番目のアミノ酸置換を起こす多型はEGFR変異陽性肺腺がんの罹患性を決める因子のひとつと考えられた。これらの結果は、EGFR変異を起こした細胞に対する抗腫瘍免疫応答の個人差が、EGFR変異陽性肺腺がんへの罹りやすさに関与する可能性を示唆している。

 今後、これらの遺伝素因と環境要因を組み合わせることで、肺腺がんの発症リスク診断法や新たな治療薬の開発に寄与することが期待される。


文責  臨床腫瘍学講座・腫瘍内科・腫瘍センター  醍醐 弥太郎

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これまでの紹介論文
ヒト虚血心筋において生き残る心筋前駆細胞の同定
心筋介在板に存在するタンパク質アファディンが慢性的な圧負荷による心筋障害を抑制
喫煙習慣は全身の血管で動脈硬化の進展に影響する〜滋賀動脈硬化疫学研究SESSAより〜
肺癌の異所性PD-L1発現におけるRAS-MAPKシグナルの役割を解明
高血圧治療におけるペプチド分解酵素Dipeptidyl peptidase IIIの新たな役割
食事中のナトリウムとカリウムの比が高い人で循環器病死亡リスクが増加
全身でGFPを発現するカニクイザルの作製
筋硬直性ジストロフィー患者さんにおける心臓伝導障害の機序を明らかにした
後天性QT延長症候群の遺伝的背景
中年期のミルク摂取と死亡時における黒質神経細胞密度の関係
プリオンタンパク質および心筋型トロポニンTをマーカーとする成体心筋組織の間隙細胞は拍動する心筋細胞へと自発的に成長する
プロラクチン誘導蛋白質( Prolactin-Induced Protein :PIP) のヒト皮膚への作用について: PIPに含まれるアスパラギン酸ぺプチダーゼ(Aspartic Peptidase)の角質層への消化作用と、表皮角化細胞の増殖誘導作用
神経幹細胞が保たれる仕組みの一端を解明
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術後糖負荷による消化管運動の増強  ―cine MRIを用いた解析―
血圧と全栄養関連解析
セボフルランは活性酸素による心筋傷害を抑制して虚血再灌流傷害から心臓を保護する
胃癌術後におけるアディポネクチンの低下と術後感染リスクの関連
インスリン抵抗性患者に観察される骨格筋リポプロテインリパーゼ活性低下がミトコンドリア機能を低下させる
高リスク症例に対する両側内胸動脈バイパスの生命予後改善効果は術後早期から出現する
血液生化学値を規定する46遺伝子を同定
Transient Receptor Potential Canonical チャネルを通るCa2+の流入が心筋のカルシウムパラドックス傷害の発生に関わっている
セボフルランはTransient Receptor Potential Canonical チャネルの活性化を抑制することにより,カルシウムパラドックスを介するCa2+過負荷から心室筋細胞を保護する
肺がんの発症に関連する遺伝子を同定  −肺がん発症に2つのがん関連遺伝子(TERTTP63)が関係することを解明−
単一プラットフォーム上に診断薬と治療薬を搭載した超分子ナノキャリアによる可視化ドラッグデリバリーの、膵癌モデルを用いた評価
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アルツハイマー病治療薬の背景にあるクルクミン誘導体の互変異性とベータアミロイドペプチド結合能との関係
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ゲノムワイド相関研究による日本人2型糖尿病発症遺伝子UBE2E2、C2CD4A-C2CD4Bの同定
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カロリー制限による加齢性腎障害抑制効果における抗老化分子Sirt1-オートファジー経路の意義
サル黒質-視床-前頭前野投射の単一細胞レベルでの同定/サル黒質-視床-前頭前野投射の認知機能
脳小血管障害は腎不全の危険因子である
薬剤によるQT延長と致死性不整脈の遺伝的背景
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腫瘍所属リンパ節におけるTGF-βの機能阻害による抗腫瘍免疫応答の増強効果
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代謝性危険因子の集積と循環器疾患死亡の関連: NIPPON DATA90, 1990-2000
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小胞体-ゴルジ分泌系への変異SOD1の輸送とアグリゲート形成は家族性筋萎縮性側索硬化症の病態に関与する
Deficiency in catechol-O-methyltransferase and 2-methoxyoestradiol is associated with pre-eclampsia.
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筋萎縮性側索硬化症モデルマウスに対する変異SOD1を用いた免疫療法の有効性
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胎生期における低栄養環境に起因する成長後の肥満発症には、成長期の「レプチンサージの早期化」が重要な役割をはたす
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ROCK- Iは胎児期の眼瞼閉鎖、生理的臍帯ヘルニア閉鎖を制御する
in vivo でのsiRNA膀胱内注入療法によるがん増殖抑制に世界で初めて成功
糖尿病では膵臓外の多臓器にインスリン産生細胞が出現する
変異により切断されたDisrupted-in-Schizophrenia-1(DISC-1)は NudE-like(NUDEL)と結合できず、神経突起の伸長を阻害する
高分子キニノーゲン・ドメイン5中のHis-Gly-Lys配列が癌細胞の転移を抑制する
X染色体不活化遺伝子(XIST)非メチル化DNA による精巣癌の診断
tsc2(tuberin) は細胞内のエネルギーを感知して、細胞の成長、細胞死を制御する
The Pharmacology of Nitric Oxide in the Peripheral Nervous System of Blood Vessels.
Conserved role of nanos proteins in germ cell development.
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