コンプライアンスの推進について

本学の使命は人材を育成し、教育・研究・診療により、地域はもとより世界の医療福祉の向上に貢献することであります。とくに、人材育成を担う大学においては、倫理観を備えることは大切であり、構成員全員が法令や社会的規範、企業倫理を遵守(コンプライアンス)することは基本であります。
本学では、コンプライアンスの推進について、全教職員が誓約書に署名し、業務を遂行するにあたり、規則等を理解し、高い倫理観に基づきこれを遵守する旨、また、職務の遂行において正しい選択と透明な処理を行い、不正使用を行わない旨誓約いたしました。
さらに、研修会や幹部職員参加によるグループワークの実施や、各人から不正経理を生みやすいと考えられる日常業務の盲点についても調査するとともに、監査室の機能の充実を行いました。また、コンプライアンス体制を構築するために、コンプライアンスを持続的また能動的に企画・推進する組織として「コンプライアンス委員会」を設置し、常にコンプライアンスの推進に関する意識啓発を行います。
<コンプライアンス委員会委員長 上本 伸二>
滋賀医科大学役職員行動規範
滋賀医科大学は、その社会的使命と業務の公共性から、高い倫理性に基づいて、厳格に法令等を遵守するとともに、健全で公正な大学運営を求められています。その要請に応えるために、本学の理念と目標のもと、「滋賀医科大学役職員行動規範」を定め、役職員が不断の実践に努めています。
令和3(2021)年度コンプライアンスに関する研修実施計画
本学は中期計画(No. 88)において「コンプライアンスの徹底を図るため、法令や学内規則の遵守、不正防止や情報管理、ハラスメント、研究倫理等に関する全学的なコンプライアンス教育を年間 10回以上実施し、その受講管理とフォローアップを実施する」と掲げています。
コンプライアンス意識の涵養のため、令和3(2021)年度は以下の研修を計画しています。
実施時期 | 研修・セミナー等 | テーマ | 対象者 |
---|---|---|---|
令和3年4月1日~4月30日(※e-learning) |
令和3年度滋賀医科大学新規採用職員研修 | 医療事故防止、個人情保護、人権、職場の労働法等について | 新規採用教職員(非常勤職員を含む) |
令和3年4月以降(※e-learning) | SUMS e-Learning 倫理指針ゲノム指針 | 医学系研究・ゲノム指針概説 | 研究者 |
令和3年7月20日(火) |
ハラスメント防止研修会 |
ハラスメントの防止 | 全教職員 |
未定(※e-learning) | 職場環境向上研修(仮) | 未定 | 役員、教職員 |
未定(※e-learning) | 会計事務等に関する説明会 | 研究費を使用する際の事務手続き及び不正防止に関する意識向上を図る | 教職員 |
令和3年5月28日(金)(※オンライン) | 研究倫理教育研修会(1) | いま、押さえておきたい著作権について | 教職員・大学院生・学生 |
令和3年10月12日(火)(※オンライン) | 研究倫理教育研修会(2) | オープンアクセス、ハゲタカジャーナルについて | 教職員・大学院生・学生 |
令和4年1月7日(金)(※オンライン) | 研究倫理教育研修会(3) | STAP事件に学ぶ研究不正の構造と防止策について | 教職員・大学院生・学生 |
未定 | 個人情報保護に関する研修会 | 未定 | 教職員 |
未定(※e-learningによる動画受講形式で実施予定) | 病院情報システム・セキュリティ講習会 | 未定 | 教職員 |
未定(※新型コロナウイルスの影響から開催を見送る可能性あり) | 情報セキュリティ講習会 | 未定 | 役員・教職員・学生 |
未定(e-learning) | 情報セキュリティに関するeラーニング | 情報倫理とセキュリティ | 教職員・大学院生・学生 |
未定 | 再生医療等従事者にかかる教育研修会(再生医療法70条対応) | 再生医療等の実施に係る安全性確保 | 再生医療従事者 |
令和4年1月(予定) | 臨床研究・治験従事者 研究者養成研修会(臨床研究法施行規則第10条対応) | 研究責任医師の責務と臨床研究の実施 | 臨床研究法適用研究の研究責任医師・分担医師 |
未定 | 滋賀医科大学倫理審査委員会 委員教育(医学系指針第11の1対応) | 倫理審査委員会委員の責務と審査における留意点 | 滋賀医科大学倫理審査委員会委員 |
未定 | 国立大学法人滋賀医科大学臨床研究審査委員会 委員教育(臨床研究法施行規則第84条対応) | 臨床研究審査委員会委員の責務と審査における留意点 | 滋賀医科大学臨床研究審査委員会委員 |
未定 | 化学物質の取扱に関する研修会 | 関係法令に基づいた化学物質の取扱 | 各講座等の長(=毒劇物管理責任者、環境安全管理責任者)、毒劇物取扱責任者、環境安全管理担当者、化学物質取扱者 他希望者 |
コンプライアンスに関する取組等
不正を事前に防止するための取組
- 不正リスクに対する抜き打ちなどを含めたリスクアプローチ監査を実施する。
- 新規採用職員全員に「ハラスメントのない環境をめざして」リーフレットを配布する。なお、入学生には、学生課が配布(Web版の案内)する「学生要覧」に、同リーフレットと同内容を記載する。
- 新規採用職員全員及び入学生全員に「滋賀医科大学における『人権』への取り組み」パンフレットを配布する。
- ハラスメント相談員を対象に、相談員研修を実施する。
- 新規採用職員全員から、法令及び本学規則等を遵守し、公費の不正使用を行わない旨の誓約書を徴取する。
- 人事評価シートⅡに「コンプライアンス(法令遵守等)違反がないよう心掛けている」欄を設け、全教職員に確認する。
- 毎月定期便として不正防止に係る啓発メールを発信する。
- 新規採用者に「公的研究費ハンドブック」、及びリーフレット「No!研究費の不正使用」「No!捏造・改ざん・盗用」を配付する。
- 研究倫理教育の履修管理を行う。
- 取引業者に「研究費の不正使用等に係る再発防止のためのリーフレット」を配付し、本学における留意事項を説明し、同意の上、研究費に関して不正な取引をしない旨の「誓約書」を徴収する。
- 新財務会計システム更新に伴い会計データと会計伝票の不一致がある場合は支払いがストップする改ざん防止機能を導入することで不正防止を図る。
- 病院開設許可事項(部屋名称と使用用途)の内部調査を実施する。
- 図書館が年間を通じて実施する文献検索講習会や講義、セミナーの中で、引用のルールや著作権順守について啓発していく。
- 建設工事及び設計・コンサルティング業務について、入札及び契約の過程、契約内容の透明性確保を目的とした「京滋地区4国立大学法人公共工事入札監視委員会」を運営している。
情報セキュリティ対策に関する取組
- 情報セキュリティに関する監査を実施する。
- 個人情報保護の観点から、採用時だけでなく退職時にも誓約書を提出させる。
- 病院情報システム・セキュリティ講習会を開催する。令和3年5月開始の次期システムに即した内容とする。
- 個人情報外部流出の抑止力とするため、診療実績データの検索履歴を監視し、取りまとめて報告する。
- 個人情報保護に関する研修会を開催する。
- 情報セキュリティに関するリーフレット(電子版)については、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)において作成された「対策のしおり」を「情報セキュリティ対策資料」としてウェブサイトに掲載し、周知を図っている。
- 情報セキュリティインシデント対策チーム(CSIRT)によるインシデント対応、情報セキュリティに関するeラーニングの実施を引き続き行う。
- 文部科学省、JPCERT/CC等外部機関の情報を活用し、不正サイトへのアクセスを本学セキュリティ装置で未然に遮断する。
- 文部科学省、JPCERT/CC等外部機関の情報を活用し、システムの脆弱性に係る情報等について注意喚起を行う。
その他
- 病院の管理運営体制等(法令適合等)に関する監査を実施する。