滋賀医科大学のさらなる改革に向けて

平成30年4月2日
学長 塩田 浩平(しおた こうへい)

写真:塩田学長

平成30年度が始まりました。引き続き機能強化を進め、滋賀医科大学が教育・研究・医療・社会貢献において優れた成果を挙げて存在感を高めるため、教職員が団結して努力したいと思います。  

昨年度、本学は医学教育分野別評価を受審しました。正式評価結果はまだ発表されていませんが、教職員が一丸となって準備に取り組み、本学の医学教育を根本から見直すよい機会になりました。今後も医学教育・看護学教育の継続的な改善に取り組み、全国の模範となる教育を実践していきたいと考えています。

今春の本学卒業者の国家試験合格率は、医師国家試験が92.9%(新卒者95.4%、全国平均90.1%)、看護師が100%(全国平均91.0%)、助産師が100%(同98.7%)、保健師が96.4%(同81.4%)となりました。さらに高い合格率を達成するよう、指導を徹底したいと思います。  

研究面では、4つの重点領域研究を中心に、特色ある研究を推進し、成果を世界に発信して参ります。オープンサイエンス、オープンイノベーションが益々重要になってきています。学内共同研究、国内・国際共同研究を推進して医学・看護学の発展に資するほか、産官学連携により地域の活性化にも貢献して参ります。積極的に外部資金を獲得するよう、スタッフの皆様のご努力をお願いします。  

附属病院では、特定機能病院として質の高い医療、高度先進医療を推進し、地域の医療の中核としての役割を果たすと共に、卒前・卒後のシームレスな教育プログラムによって、優れた医師・看護師・助産師・保健師の輩出に努めます。今年度は、病院機能評価を受審することになっています。この評価では、組織運営管理および提供される医療について「患者中心の医療の推進」、「良質な医療の実践」、「理念達成に向けた組織運営」の観点が評価されます。ぜひ高い評価を受け、患者さんのための医療を推進するエンジンにしたいと思います。  

大学運営では、IR(institutional research)機能を担う組織を整備し、確実なPDCAサイクルを機能させて、効率的で効果的な大学運営を進める必要があります。国からの運営費交付金が次第に厳しくなる中で、予算・人員・スペースの配分方針を抜本的に見直し、資源の有効活用を考えるべき時期が来ています。教職員の方々のご理解とご協力をお願いいたします。  

なお、大学のあり方についての議論が活発になり、わが国の大学システムそのものが激動の時代を迎えつつあります。本学の将来像を考え、滋賀医科大学の発展のために何が必要かについて、学内の議論を深めたいと思っています。皆様の主体的なご協力をお願いいたします。