平成30年10月1日
滋賀医科大学長  塩田 浩平(しおた こうへい)

本日ここに、平成30年度第1回滋賀医科大学学位授与式を挙行できますことを心からうれしく思います。

このたび大学院博士課程を修了し博士の学位を取得された12名、論文提出と所定の審査に合格して学位を取得された1名、修士課程を修了し修士の学位を取得された1名の皆様、おめでとうございます。これまでの数年間、様々な困難を乗り越えて研究を完遂し、本日学位取得に至られたご努力に心から敬意を表します。また、今日までこれらの方々を支援してこられましたご家族ならびに関係の皆様にも心からお慶びを申し上げます。

これまでに滋賀医科大学から学位を授与された方は、本日の皆さんを加えて、博士が1218名、修士が215名となりました。これまでに学位を取得された方々は、研究者として、あるいは指導的な医師・看護師として、それぞれの立場で活躍しておられ、本学が誇りとするところであります。

修士課程を終えられた方は2年間、博士課程の方は3年間または4年間、それぞれ独自の研究テーマに取り組み、その成果を学位論文として完成されました。私も学位審査の発表会に出席させていただきましたが、それぞれ意欲的な研究内容で、皆さんの発表に感銘を受けました。皆さんはそれぞれの研究によって医学と看護学の進歩に貢献されたわけであり、これまでの努力と自らの研究成果を十分誇りにしてください。

今回学位を授与される皆さんは、このあと研究者として研究を続けられる方、臨床の現場へ戻られる方など、様々であろうと思います。留学生の方の中には、国へ帰って医療や行政で指導的な立場につかれる方もあろうと思います。このあとどのような仕事につかれても、大学院時代に培ったリサーチマインドと研究的態度は、あらゆる分野で役に立つと確信いたします。明日からは独立した研究者、医師、あるいは看護師として、それぞれの道で課題解決の先頭に立っていただくことを期待いたします。

わが国は急速な少子高齢化が進行しており、今後、高齢者の急激な増加と人口構成の変化が待ち受けています。それに伴って、疾病構造も変化し、医療の役割や医学・看護学の課題も大きく変化すると予想されています。一方で、医学と関連科学の進歩は目覚ましいものがあり、ゲノム医療や精密医療(precision medicine)が現実のものとなり、人工知能(AI)やIoTが臨床の現場に入ってきます。そのような時代には、全ての医療人が正しい科学リテラシーをもち、エビデンスに基づく医療(evidence-based medicine)を行うことが求められます。

医学と医療は今後も加速度的に進歩し、また、わが国と世界で医療を取り巻く環境が大きく変化していきます。さらに、世界各地で、未曾有の災害や気候変動が頻発し、人類の安全と健康が脅かされています。こうした変動の時代を迎え、我々がかつて経験したことがない困難な問題が起こっていますが、見方を変えれば、皆さんはこれからの人生で、全く新しい時代を生き、新たな人類の課題解決に挑戦できるということでもあります。皆さんが次の時代のリーダーとして、新しい医療と新しい医学・看護学を切り拓いていっていただくことを切に望みます。

本日滋賀医科大学の学位を取得された皆さんが、今後、指導的な医療人として活躍され、医学・医療の発展と人類の福祉向上のためにそれぞれの立場で力を発揮されることを祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。