令和2年1月6日
滋賀医科大学長 塩田 浩平(しおた こうへい)

あけましておめでとうございます。
教職員の皆様におかれましては、令和となって初めての新年を新たな気持ちでお迎えになったことと存じます。滋賀医科大学で働き学ぶ全ての皆さんにとって、2020年が健康で充実した1年になりますよう、心から祈念いたします。

私と現執行部は3月末を以て任期を終了します。学内外で難問が山積する中、大学運営にご協力いただいたすべての教職員の皆様に御礼申し上げます。私は、任期中にやりたいと思っていたことの半分も達成できず忸怩たる思いですが、更なる改革と発展は次期学長と新執行部に託したいと思います。

この機会をお借りして、滋賀医科大学の発展を期するために皆さんに3つのことをお願いしたいと思います。

第1の点は、教職員すべての皆さんに、常に大学の外、日本全体、そして世界の動きに関心を持って業務にあたっていただきたいということです。今、日本も世界も激動しており、大学や医療も例外ではありません。国内では少子高齢化が進み、各大学は生き残りに必死であります。またAIやIoTの目覚ましい進歩に伴って医療と医学研究の内容とあり方も大きく様変わりしています。
今、世界の潮流は「オープン」「イノベーション」「連携」「コンソーシアム」「オーナーシップ」などとなっていますが、日本の社会はそれに反して「クローズド」「グループ」「メンバーシップ」「囲い込み」「すり合わせ」といった古い慣習にとらわれ、世界の流れに大きく遅れを取っているといわれます。
教職員の皆様には、常に広い視野をもって職務に当たっていただきたいと思います。滋賀県の滋賀医大というだけでなく、全国区の滋賀医大、世界の滋賀医大として発展することを心から念願しています。

第2の点として、人事と人材育成について申し上げます。大学が発展するためには、優秀な若い人材が集まる組織でなくてはなりません。大学と附属病院に若者を引きつけるためには、働きやすい職場であることは言うまでもありませんが、同時に優れた指導者、卓越した研究者と臨床家が必要であります。そのためには、教員人事、特に教授選考がキーになります。この2年間ほど議論を重ね、戦略的な運営を行うために総合戦略会議と人事委員会を設置しましたが、これらがよい方向に機能し、滋賀医大にすぐれた人材が集まり、真に実力と魅力を備えた滋賀医大になることを願っています。
優秀な本学卒業生が滋賀医大に残ることが大学にとって大変重要であります。学生が在学中に豊かな教育を受けて楽しい経験をし、卒業後もこの大学で働きたいと思うことができれば、母校への帰属意識と愛着心が育ちます。本学は継続的に教育改革に取り組んできましたが、ぜひとも本学の学生には、質が高く豊かな教育と指導を与えるよう、教員の皆様にお願いいたします。

最後に、キャンパス環境と施設整備について申し上げます。
人は、その過ごす環境から有形無形の影響を受けます。大学のキャンパスは学生と教職員が1日の半分近くの時間を過ごす場所であり、その精神形成と精神の衛生にとってキャンパス環境は非常に重要であります。しかし、わが国の国立大学の建物は外国の大学や国内の私学に比べて大きく見劣りがします。人が育ち、教育研究活動が行われる場としては貧弱であり、また外国からの客に対しても恥ずかしいと言わなければならないのは本当に残念なことだと私は思っています。
本学は開学46年をすぎ、至る所に老朽化と陳腐化が目立っています。また、本学では教育・研究・診療のためのスペースが絶対的に不足しており、皆さんに不自由をおかけしています。幸い、臨床研究棟の改修が進み、来年度予算に講義棟(一般教養棟)の改修予算が措置されました。今後は、ぜひ新しい時代に対応した斬新な改修を進めていただくようお願いいたします。また、職員の方々の労働環境をより良くするため、1日も早く機能改修を進めるべく、関係各位に引き続き努力をお願いいたします。
学生がもっとキャンパスライフを楽しむことができれば、母校愛、そしてこの大学に残って働きたいという気持ちが強くなるはずです。その意味でも、美しいキャンパスと充実したアメニティを整備することが、長い目で見て大学と附属病院の発展のために重要であることを強調しておきたいと思います。

3か月後には新執行部によって新しい滋賀医大がスタートします。また、4年後には、本学の開学50周年が到来します。記念すべきこのエポックを単に過去を懐かしむ機会にするのではなく、滋賀医大が新しく生まれ変わるチャンスにしていただきたいと切望します。

滋賀医大を支えるのは1人1人の教職員の皆さんであります。構成員が自ら組織を担い組織を変えていく当事者であるという意識、すなわち「オーナーシップ」をもち、それぞれの働きと大学の発展が構成員の成長や働きがい、幸福に結びつく(エンゲージメント)というのが組織の理想であります。滋賀医大で働くすべての教職員の皆さんが一致協力して楽しく働き、次代の滋賀医大の発展のために貢献していただくことを切にお願いいたします。