平成31年1月4日
滋賀医科大学長 塩田 浩平(しおた こうへい)

あけましておめでとうございます。
本年は比較的穏やかな年明けとなりましたが、皆様におかれては、新たな気持ちで新年をお迎えになったことと存じます。滋賀医科大学で働き学ぶ全ての皆さんにとって、2019年が幸せで充実した1年になりますよう心から祈念いたします。

4月から始まる来年度(2019年度)は国立大学法人の第3期中期目標期間の4年目に当たりますが、この4年目までの評価が第3期の評価とみなされ、その評価結果に基づいて来るべき第4期の運営費交付金が決定されることになっています。したがって、来年度の大学の実績が大変重要になります。共通的な評価の観点としては、ガバナンス改革、財務内容の改善、法令遵守及び研究の健全化などが挙げられています。
昨年の秋に示された本学の平成29年度業務の実績に関する評価では、財務内容の改善において一定の注目事項があるとされ、民間資金を活用したアメニティ施設リップルテラスの整備が評価されました。引き続き2019年度も、業務運営の改善と効率化、教育研究の改革に積極的に取り組み、目立った成果を挙げなければなりません。皆様のご協力をお願いします。

評価に関しては、一昨年11月に受審した医学教育分野別評価の結果が昨年3月に示され、幸い本学は今後7年間にわたる認定を受けることができました。これは本学の全構成員の協力によって達成された結果でありますが、引き続き教育内容の継続的な改善に努める必要があります。そのために、今年はIR室やアドミッションオフィスの設置を急ぎたいと考えています。

今年は大学にとって次の大きな審査である附属病院の病院機能評価を控えており、1月23~25日に訪問調査を受けることになっています。この機能評価は附属病院にとって大変重要な評価であり、医療安全、感染対策、診療録の記載、倫理的問題への対応等について、本学附属病院の理念、基本方針、マニュアルに沿った医療ケアが提供されているかが評価されるものであります。昨年来、附属病院の全ての関係者が鋭意準備を進めてくださっていますが、本学の実情と実力が適切に評価されて良い結果が得られるよう、最後の準備と訪問調査への対応をよろしくお願いします。

次に、その他の大学運営について主なものを申し上げます。
昨年末の来年度予算内示において、本学の臨床研究棟の第2期改修工事の予算が認められました。1年間ブランクがあり心配していましたが、関係者のご尽力により第2期改修が実現することになり、大変嬉しく思っています。新たに改修対象となる講座の関係者におかれては、第1期工事の結果を参考に、新しい時代に則した、また将来の発展を見据えたイノベーティブな研究棟の設計をお願いします。
なお本学では、引き続き基礎学と基礎医学研究棟の改修に向けて準備を進めたいと考えていますが、本学はスペースが絶対的に不足しており、一方でOSCE対応、新しい講座の設置など、教育研究のための新たなスペースが必要になっています。全てのスペースは大学全体の共有資産であるという原則の下、総合的なスペースマネジメントを進めていく計画ですので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

次に、現在本学の財務内容並びに人員配置の見直しを進めています。これまでの歴史的な経緯もあって、本学の財務内容は極めて硬直化した状態にあります。現状は本学の経営に余裕がなく、危機に陥りかねない状況ですので、現在の財務内容と人員配置の状況を抜本的に見直し、強い経営体質を確立することが滋賀医科大学の将来に対する我々の責務であると考えます。そのため、学内予算配分や人員配置の見直しに手を付けざるを得ませんので、皆様のご理解をよろしくお願いします。

教育・研究につきましては、皆様のご尽力によって成果を挙げていますが、滋賀医科大学の発展と社会的評価向上のためには、なお一層の努力が必要です。また、学内外に様々な課題があり、それらに対する対応も急務になっています。 教育面では医学科・看護学科とも新しいカリキュラムに向けて改定を進めていますが、もう一つの大きな課題は入試改革と入学定員の見直しであります。医学教育と看護学教育の充実と将来を見据えた必要な改革を進めるべく、現在、文部科学省及び滋賀県との折衝を進めています。

現在、本学の意思決定体制、教育研究体制を新しく構築するための検討を進めています。これも、教育、研究、診療、大学運営をスムーズにまた効率的に行い、滋賀医科大学が真に実力と魅力を備えた大学になれるように、学内の体制を機動的なものにする目的で進めているものです。これまでワーキンググループのメンバーを中心に、教教分離の考えを取り入れた新しい組織の構築を検討してきましたが、広く学内の意見をお聞きしてより良いものにしていきたいと考えています。教授会や全学フォーラムでもご説明する予定ですので、積極的なご意見とご協力をよろしくお願いします。

その他、働き方改革への対応、コンプライアンス対応、教職員の世代交代への準備など、本学は重要な課題を抱えていますので、引き続き気を引き締めて大学の運営を進めて行かねばなりません。2019年は4か月で平成が終わり、5月からは新しい元号の時代を迎えます。社会にも新しい気分が満ちることと思いますが、滋賀医科大学も時代に則した新しい大学に脱皮できるよう、教職員、学生が一丸となって努力したいと思います。学内の全ての皆様のご協力をお願いします。

最後に、滋賀医科大学で働き学ぶ皆様のご健勝とご活躍を心からお祈りして、年頭のご挨拶といたします。