日程
2020.09.17

先進医療「再発性Clostridioides difficile 関連下痢症・腸炎に対する糞便微生物叢移植」に関する記者説明会を開催しました。

先進医療とは、一般の保険診療の水準を超えた最新で高度な医療技術を、厚生労働省に承認された保険医療機関に限って行われる医療行為です。

滋賀医科大学医学部附属病院では、先進医療Bとして「再発性Clostridioides difficile (クロストリジオイデス・ディフィシル)関連下痢症・腸炎に対する糞便微生物叢移植」が承認されました。

9月17日に内科学講座(消化器内科)安藤 朗教授から、報道機関に対して説明をいたしました。

  • クロストリジオイデス・ディフィシル関連下痢症・腸炎とは、抗菌薬の内服などが原因で腸内細菌叢のバランスが崩れ、クロストリジオイデス・ディフィシルという細菌が異常増殖し、毒素を産生することにより発症する疾病です。
  • 糞便微生物叢移植は、患者さん自身でドナー(糞便提供者)候補者を確保いただき、スクリーニング検査で適格性を判定した後、ドナーから提供された便より微生物叢を抽出し、それを大腸内視鏡を用いて盲腸付近に散布(移植)します。これにより、崩れてしまった腸内細菌のバランスを正常な状態に近づけることで、症状の改善が期待できます。
  • クロストリジオイデス・ディフィシル関連下痢症・腸炎に対する糞便微生物叢移植は主に海外で有効性が報告されていますが、日本ではまだデータが十分ではありません。今回の先進医療を通して、有効性と安全性の評価を行い、この治療が日本で保険診療として受けられるようになることを目標としています。

本件の詳細(プレスリリース):https://www.shiga-med.ac.jp/sites/default/files/2020-09/pressrelease_hunbenisyoku.pdf

写真:先進医療として認められた糞便移植について報道機関に解説する安藤教授
報道機関に解説する安藤教授