日程
2026.06.11

本学皮膚科学講座の生野泰彬助教が、令和8年度日本皮膚科学会基礎医学研究費(資生堂寄付)に採択されました。

本学皮膚科学講座の生野泰彬助教が、令和8年度日本皮膚科学会基礎医学研究費(資生堂寄付)に採択され、2026年6月11日(木)、第125回日本皮膚科学会総会(国立京都国際会館)において、授与式が行われました。

 日本皮膚科学会基礎医学研究費(資生堂寄付)とは、皮膚科学分野の優秀な若手研究者を育成し、日本の皮膚科学領域における基礎医学研究を奨励助成することを目的として、株式会社資生堂の寄付金をもとに1967年に日本皮膚科学会によって創設されました。 
□公益社団法人日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/medical/biologics/4893/ 
□株式会社資生堂 https://corp.shiseido.com/jp/rd/doctor/grants/science/kiso.html 

【研究課題】 
老化に伴う頭皮細胞の男性ホルモン応答性(competence)変容のトランスクリプトーム解析 

【研究概要】 
我々はこれまで、幹細胞老化の研究を通じて、加齢に伴い細胞の外的刺激に対する受け手側の応答性、すなわちcompetenceが変容し、それが細胞機能の異常につながりうることに着目してきました。また、頭皮においては、男性ホルモンを不活性化する酵素群の発現が加齢に伴って低下することを明らかにしており、頭皮局所のホルモン代謝機構の破綻が毛髪・頭皮老化に関与する可能性を示してきました(本学プレスリリースをご参照ください https://www.shiga-med.ac.jp/sites/default/files/2026-04/20260416_pr.pdf)。
 一方で、男性ホルモンの関与が知られる男性型脱毛症(AGA)は、加齢に伴って進行する疾患ですが、血中ホルモン値や既知の局所代謝因子だけでは、その進行の個体差や頭皮内での部位差を十分に説明しきれません。そこで本研究では、病態には「局所代謝」だけでなく、加齢に伴う標的細胞の男性ホルモン刺激に対する応答性、すなわちcompetenceの変容も関与すると考え、この観点から頭皮細胞の男性ホルモン応答性を検討します。トランスクリプトーム解析によりその変化を明らかにすることで、老化とAGA進行の関連解明、さらには新たな治療戦略につながる知見の獲得を目指します。

【生野助教コメント】
この度は、令和8年度日本皮膚科学会基礎医学研究費(資生堂寄付)を賜り、誠にありがとうございます。このような名誉あるご支援をいただき、光栄に存じます。私はこれまで、解剖学講座の金田勇人准教授のもとで幹細胞老化の研究に取り組む中で、加齢に伴い細胞の外的刺激に対する受け手側としての応答性、すなわち competence が変容し、それが幹細胞の機能異常につながりうることに着目してまいりました。こうした受け手側の変化は、単なる加齢現象にとどまらず、さまざまな老化関連疾患にも関与するのではないかと考えております。本研究では、この視点を頭皮細胞の男性ホルモン応答性へ広げ、老化と男性型脱毛症の関連を新たな視点で明らかにしたいと考えております。今後は、皮膚科学講座の藤本徳毅教授、荒川明子准教授にもご指導を賜りながら、疾患における competence という概念の実証に向けた端緒を開き、病態理解と治療の発展に資する成果を目指します。  

生野助教
生野助教
授与式の様子1
授与式の様子1
授与式の様子2
授与式の様子2