救急医療研究サークルSALSAのメンバーを中心とした本学学生が、東大津高校で大規模な「出張BLS(一次救命処置)講習」を行いました。
2026年9月29日(火)、10月1日(木)の2日間、本学の課外活動団体「救急医療研究サークルSALSA」(以下、SALSA)のメンバーを中心とした本学医学部学生が、滋賀県立東大津高等学校(滋賀県大津市)の1・2年生約600名を対象に、大規模な「出張BLS(一次救命処置)講習」を実施しました。
今回のBLS講習は、一般的な学校では見学中心や簡易キットの体験にとどまるケースが多いなか、学生が主体となり、本学医学部附属病院、大津市消防局、日本光電工業株式会社との連携・協力のもと、「指導者(医学生)1名に対し生徒4名」「全班にマネキン1体・AEDトレーナー1台完備」という全国的にも極めて手厚い体制で臨みました。
当日は全体講義を行った後、高校生の各グループに本学学生が指導者として1名ずつ付き、訓練用AEDおよび胸骨圧迫人形を用いてグループ別演習を実施し、胸骨圧迫やAED装着などの一次救命処置である実践的な心肺蘇生の知識や技術を学べるようサポートしました。参加した東大津高校の生徒は、実際の場面を想定しながら、互いに協力し合い、目の前の命を救うために自分たちにできることを全力で取り組む姿が印象的でした。
心肺停止の傷病者の救命や機能回復には、救急車が到着するまでの間にその場に居合わせた人による一次救命処置が不可欠であり、柔軟な吸収力を持つ若い時期にその技術を身につけておくことが非常に重要です。
今回の取り組みは、地域の高校生に一次救命処置の重要性を伝える機会となっただけでなく、本学学生にとっても貴重な教育の機会となりました。本学では今後も、いざという時に「ためらわずに動ける若者」を継続的に地域へ送り出せるよう、次世代への救命教育活動に取り組んでまいります。
SALSA代表の加藤幸太郎さん(医学部医学科第4学年)からのコメント:
心肺蘇生講習は「面倒くさい」「やりたくない」といった消極的なイメージを持たれがちです。しかし、せっかく受ける授業ならば、決められた時間の中で必要なことを余すことなく吸収してもらいたいと考えました。その強い思いから、関係各所からのご支援のもと、最大30セットのマネキンとAEDトレーナーを用意し、高校生4名に学生1〜2名が付き全班に機材を配置するという、全国でも類を見ない手厚く高密度な講習体制にこだわりました。
今回の講習で私たちが一番伝えたかったことは、「完璧な処置ができること」よりも、「倒れている人に声をかけ、一歩を踏み出す勇気を持つこと」の大切さです。最初は戸惑っていた生徒たちが積極的に胸骨圧迫を行うようになり、さらに授業終盤の"救急車が来るまでの9分間"を再現したシナリオでは、チームで救命にあたるその姿に深く感銘を受けました。彼らが今後社会に出た時、講習の経験が誰かの命を救う勇気となってくれれば、インストラクターとしてこれ以上の喜びはありません。
一昨年立ち上げたこの出張BLS事業において、インストラクターは初年度こそ同期が中心でしたが、今年は約半数を1~3年生が担ってくれました。この取り組みを、これからのSALSAを担う後輩たちに引き継いでいってほしいと願っています。